フレームのダストカバーを含むシャーシ部分がスチール製、トリガーガードからグリップ部分が樹脂製の、画期的なハイブリッドフレーム「2011」と言う競技用ハイキャパシティM1911を開発したのが、STI(Strayer Tripp Inc.)です。
しばらくの間は、競技射撃用高級カスタム銃を開発していたSTI社でしたが、度々大々的な変革が起こった後、その一変した方向性を象徴するニューモデル「STI 2011 STACCATO P Duo」が2019年にUSMS-SOG(アメリ連邦保安局・特殊作戦グループ)に採用され話題になりました。
その後もSTACCATO-Pモデルは、ロサンゼルス市警察等のSWATへの採用が決まったり、多くの法執行機関からデューティガン(職務遂行に使う銃)として認定される等、その地位を確立しつつあります。
2020年には社名も「STACCATO(スタカート)」に変更されました。
可変ホップアップシステム
全長 205mm
重量 967g
装弾数 29発
価格 27,280円 (税込)
3ヶ月内部パーツ破損・ガス漏れ無償修理保証付
この銃の特徴 |
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〇今回のセカンドロットから、実銃に合わせてグリップパターンを変更 |
〇アウターバレルとリコイルスプリングガイドを改良して耐久性向上 |
〇CO2ガスによる強烈なリコイルショックと鋭いブローバックで、撃ち心地は最大級 |
STI社製STACCATO-P-DUO(Dawson Universal Optic)をモデルアップしたBATON製BS-STACCATOですが、2022年10月に発売されたセカンドロットでは、グリップ・パターンの変更と内部パーツの改良が施され、実射性能と耐久性向上が図られています。
スライドはナイロン樹脂製で、ギラギラ・ザラザラとした質感の物。
刻印類は全く無いですし、上面にはパーティングライン(筋状の成型痕)も未処理で残っていて、モデルガン的魅力は低いです。
やはりBATONさんらしく、「エアガンは撃ってなんぼ」路線を行っている様です。
それはマズルオプション装着時の作動性を確保する為にショートリコイルをオミットし、マズルの内側に直接11mmのネジが切られている事でも分かります。
まあ個人的には実銃と同じ様に、9mm口径の肉厚マズルが見たかった気もしますが・・・。
マズルは11mm正ネジ(しかも雌ネジ)なので、手持ちのサプレッサー等のネジに合うアダプタを購入すれば装置出来ます。
写真は、11mm正ネジ・14mm逆ネジ用アダプタ。
スライドを引くと、バレルブッシングの無い迫力のメタル製4.3インチのブルバレルが顔を覗かせます。
フロントサイトは、実銃のDawson Precision社製Fiber Opticサイトを正確に再現しています。
装着したドットサイトに、万一不都合発生して使えなくなった時でも、アイアンサイトでエイミング出来る様に、アイアンサイトの背は高くされています。
実銃では、リアサイトの少し前方にドットサイト取り付け用のネジがありますが、エアガンでは当然ながらダミー。(現行の実銃STACCATO-Pは仕組みが変更されてます)
エアガンでは構造的に、そこに穴は開けられませんよねえ。
で、BATON製STACCATOでは、リアサイトを含めたプレート形状の取り外し式にして、ドットサイトの取り付け用ネジ穴をスライド最後部に設置しました。
この取り付け用ネジ穴を使えば、ドクタータイプのドットサイトを直付けする事が出来ます。
ただしCO2ブローバックのリコイルショックは強烈なので、実銃規格の物とか、衝撃に強いドットサイトを選ぶ必要があります。
マルイ製マイクロプロサイトも直付け出来ますが、耐久性的には厳しいとBATONさんの動画で言われてました。
ドットサイト取り付け用ネジ穴は、スライド最後端にあるので実際にドットサイトを取り付けると、ドットサイトの後ろ側が後方にはみ出してしまいますが、ハンマーと干渉はしないので作動性に問題はありません。
が、やっぱり見た目が気になる場合は、サードパーティのドットサイト用マウントベースの装着をお勧めします。
これならスライド後端からドットサイトがはみ出さず、実銃と同様に見栄えも良くなります。
写真は、BS-HOST、BS-STACCATO兼用、RMRドットサイト用マウントベースです。
ハンマーは、スクエアタイプのスケルトンハンマー。
サムセイフティ(グリップしてる親指で操作するセイフティ)はアンビ(両側)タイプ。
グリップセイフティのテイルは結構短めなタイプで、4.3インチバレルのコンパクトなハイキャパでは、よく見る仕様ですね。
個人的には、起こしたハンマーの最後部と面一位の長さの方が好みですが。
ハンマーの起きたSTACCATOを構えると、ピョコッと出てるダミーのファイアリングピンが見えてリアルですが、このファイアリングピンはテンションが掛かっているので、押されると引っ込みます。
BATON製STACCATOは今回のセカンドロットからグリップパターンが変わりました。
ファーストロットは、実銃のSTI社製2011STACCATO-P-Duoの通りに、うろこ状のスティップル加工が施されたグリップパターンでしたが、セカンドロットではSTACCATO社製の現行STACCATO-Pモデルのグリップパターンに似たタイプへと変更されています。
マガジンの挿入を容易にするマグウェルは、BS-HOSTやBS-COMBAT MASTERと同じ物が取り付けられています。
全体的に金属パーツ類の塗装が弱いのか、既にエッジ部分は所々剝げ始めてます。
マガジンの装弾数は29発で、マガジンフォロアーを一杯に下げてからマガジンフォロアーのスリットが広くなっている部分からBB弾を装てんします。
CO2カートリッジはマガジン底部から挿入するタイプで、マガジン・バンパーとカートリッジ押し付け用のフタを外してカートリッジを差し込みます。
今回良かったのが、フタを締め付けてマガジンのノズル先端がカートリッジに刺さる時のガス漏れ音が、今までのマガジンよりも、とても小さく少なかった事。
個体差かも知れませんが、プシュっと大きい音がするとビビッてしまって、過度にカートリッジを締め付けてしまいます。
過度に締め付けるとパッキンを痛めて、ガス漏れの原因になるので宜しくありません。
ホップアップ調整ダイアルは、チャンバー下部に装備されているので調節時はスライドをフレームから取り外して行います。
ホールドオープン時にスライドリリースレバーが引っ掛かるノッチ部分には、スライド裏側に金属プレートが嵌め込まれ、スライドリリースレバーを金属プレートの方に引っ掛かからせて、ホールドオープン時のノッチ削れや変形を防止しています。
現行STACCATO仕様のグリップは、実銃に比べるとグリップパターンの密度が低くて掘りも浅く、手の吸い付き感がややマイルドな感触です。
CO2ガスのブローバックは、肌寒い秋の季節でも快調に作動しますね。
下にあるグラフを見れば一目瞭然ですが、一般的なHFC-134aガスを使うガスガンとの優位性が良く分かります。
CO2ガスと言えども、冷えれば性能も低下しますが、そもそもHFC-134aガスより5~6倍のガス圧がありますから。
リコイルショックは、現在発売されているCO2ブローバックガス・ハンドガンガンの中では最大級で、ブローバック・スピードも早くてビシッと鋭く手に伝わってきます。
撃ち心地の良さで言ってもトップクラスなのは、間違いありません。
カートリッジ1本で、大体4マガジン程撃てるので燃費も悪くはないです。
優れたレースガンを作り続けたSTIの血を継ぐサラブレッド、STACCATOは如何。
「撃ち心地は良いけどコンバットマスターはちょっと派手だよね~!」と言う方にもお勧めなSTACCATOです。
距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 10発
BATON STACCATO | 18.3℃ 48% |
0.20gBB弾 平均初速 | 75.9m/s |
1発目 | 76.1m/s |
2発目 | 77.2m/s |
3発目 | 75.7m/s |
4発目 | 74.8m/s |
5発目 | 75.8m/s |
0.20gBB弾の初速は、0.20gBB弾での適正ホップ時の数値です。
2022年12月追記 室温13.3度での秒間2発で連射時の初速
室内温度13.3度の中での、秒間2発で連射した時の初速の変化です。
マガジンの温め等は、一切無しです。
マルイ製は4~5発目、NiteShiftとウエスタンアームズ製HRTは19発目でブローバックが弱くてマガジンのBB弾を装てん出来なくなりました。
全弾撃ち尽くせて、ホールドオープン出来たのはバトン製BS-STACCATOだけでした。