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世界的ヒットとなった映画ジョンウイック(2014年公開)の続編、ジョンウイックチャプター2の制作にあたり、監督のチャド・スタエルスキは主人公を演じるキアヌ・リーブスに、より高度な射撃技術を身に着けさせるためにタラン・バトラーにトレーニングを依頼しました。
タラン・バトラーはアメリカのプロ実弾射撃競技者であり、USPSA(米国実地射撃協会)のグランドマスターです。
また、銃器のトレーニングやカスタムガンの制作を行うTTI(Taran Tactical Innovations)の経営者でもあります。
ジヨンウイック チャプター2でもG34コンバットマスター等のTTI製カスタムガンが登場します。
ジョンウイックの3作目にあたる、ジョンウイック パラベラムではチャプター2で使われたG34コンバットマスターより、更に強力なカスタムガンを制作する事になり、タラン・バトラーはSTI社(現在のSTACCATO社)と協力して2011をベースとしたコンバットマスターを完成させました。
口径は45口径では無く 9mm。
劇中ではコンバットマスターに9mmメジャー弾を合わせると言う設定ですがタラン・バトラーは実際に近接戦闘で威力を発揮する、軽量弾頭装備の強装弾であるオリジナルの9mmメジャー弾を制作し、監督に通常の9mmパラベラム弾と撃ち比べてもらい、威力の違いを知ってもらったそうな。
ただ、大口径の45ACPではなく9mmが使われた最大の理由は、45ACPだとマガジンの装弾数は少ないので、劇中で頻繁にマガジン交換が必要になるから、らしい。
まあ、実銃2011コンバットマスターの装弾数は驚愕の21発ですからねえ。
現在予約注文できる(日本では無理ですが)実銃ジョンウイック3コンバットマスターは、5,999.99~6,499.99ドル。
中古市場では、更にとんでもないプレミア価格になっています。
CO2ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 230mm
重量 1020g
装弾数 29発
価格 24,800円 (税別)
3ヶ月内部パーツ破損・ガス漏れ無償修理保証付
今までにも何モデルかの海外エアガンメーカー製コンバットマスターが日本に入ってきてますが、なかなか私を唸らせてくれる物は無いですね。
と言っても2メーカーの物しか知りませんが。
その一つEMG製は正式ライセンスモデルなので、刻印類の再現度はなかなかの物で、点数を付けるなら80点位。
逆に正式ライセンスなら瓜二つの物が作れないのかとは、思いますけどね。
ガスブローバックの作動も良くて、エアガンとしては良い出来なのですがスライドがメタル製なんです。(もし後に樹脂スライド仕様が追加されていたら、ごめんなさい。)
日本国内では、オートマチック・ハンドガンでのメタル製スライドは法的にグレーゾーンですが、現時点では取り締まり等は行われていません。
(メタル製フレームの場合も同じ)
ただ国内の組合に所属するエアガンメーカーでは、メタル製スライドのエアーハンドガンは製造していません。
それに対して販売店では、大手のショップさんでも普通に海外産のメタル製スライド・ハンドガンを販売されている所もあります。
「取り締まらないと言う事は合法である」的な見解なのでしょうか。
で・・・現時点では、個人的には残念ながらメタルスライドは遠ざけていますし、このサイトで紹介する事もありません。
もう一つはDOUBLE BELL製で、こちらはメタルに加えて樹脂製スライドもあります。
EMG製に比べれば、刻印類の再現度はやや劣りますし、マガジンのガス注入バルブが国内仕様では無く、ガスが入れにくいと言う欠点がありますが、まあマルイ製ハイキャパマガジンと互換性があるので
使い分ける事が出来れば便利で、ある意味欠点もカバーされますね。
と言う事で、完璧な刻印モデルが出ないかな~と個人的に思ってる所にバトン製で・・全くの無刻印モデルの登場とは・・・ね~!!
オプションでスライドへのマーキング塗装がありますが、基本まるで無しです。徹底してます。
更に外観を眺めてみると、スライドの仕上げ塗装は無い様で素材のザラザラした質感の表面なのですが、スラリと延びた金属シャーシとの色合いは良い様です。
実銃ジョンウイック・コンバットマスターの、どす黒いブロンズ色とは違って明るい銅色のメタル・アウターブルバレルは、何故かザラザラした表面仕上げになっています。
(現在販売されている実銃コンバットマスターは銅色に近い)
そして45ACP並みの大口径のマズル内側には、実戦派には嬉しく観賞派には悲しい11mm正ネジが切られています。
で取り合えず14mm逆ネジ変換アダプタを挟んで、サプレッサーを装着してみました。
BATON製コンバットマスターはショートリコイルをキャンセルして、重いサイレンサーを装着しても作動に影響が及ばない様にされていますが、ジョンウイックでの射撃シーン撮影用コンバットマスターも、火薬量の少ない空砲でも確実作動させるために、バレルのロッキングラク゜が削られショートリコイルしない様にされていたので、ストレートブローバック仕様になっていると言う点では、無理やりこじ付けて見ればリアルです。
フロント・リアサイトはどちらも金属製で、フロントサイトは実銃と同様に集光タイプのグリーン色アクリルファイバーが装備されています。
実銃のリアサイトはホワイトドット等何も無い、STI製フルアジャスタブルタイプですが、バトン製にはリアサイトにもアクリルファイバーが埋め込まれています。
スライドにはコンバットマスター独特のコッキングセレイションが前後に施されていて、雰囲気的には良いのですがスライド上面のパーティングライン(線状の成型痕)が未処理なのは残念な部分ですね。
ビーバーテイル・グリップセイフティやアンビ・サムセイフティの動きはスムーズです。
実銃のライトスピードハンマーは、極限的に肉抜きされてますがエアガンでは素材の耐久性を考えても、あまり薄くは出来ませんよねえ?
ダストカバーに施された、5スロットの超ロングな20mmアンダーマウントレイルは、もう各種ライト類でも何でもどうぞ状態。
大柄なコンバットマスターなら、多少大きめのライトでも似合ってしまいます。
フレームのシャーシから下の部分、グリップやトリガーそれにセイフティ類は全て先に発売されているBS-HOSTと共通パーツを使用してるらしいです。
通りで微妙な感じになってるのですが、特に目立つ実銃との違いは・・・実銃のマガジン・リリースボタンは大型のエクステンデット仕様なのですが、バトン製のマガジン・リリースボタンは小振りサイズです。
しかし鱗状のスティップル加工が施されたグリップは、やっぱり雰囲気ありますし、メタル製マグウエルは実銃ジョンウイック・コンバットマスターその物と言えるほど、そっくりです。
(現在販売されている実銃コンバットマスターの物は若干形状が違います)
実銃コンバットマスターのマガジン・ベースは薄いのですが、バトン仕様はマガジン・バンパーと呼べるほど厚みがありますね。
マガジンの装弾数は29発で、マガジンフォロアーを下げながらマガジンフォロアーのスリットが広くなっている部分(赤丸の部分)からBB弾を流し込みます。
ホップアップの調節は、まずマガジンを外してからスライドを少し後退させてスライドリリースレバーが手前に抜ける様に、切り欠き部分を合わせ抜き取ります。
スライドリリースレバーを外すと、JASG(日本エアースポーツガン振興協同組合)の認証シリアルナンバーが出てきます。
そのままスライドを前方に押し出せばスライドは外れます。
チャンバーの真下辺りにホップアップ調整ダイアルがあるので指の爪を引っ掛けて回して、ホップの掛かり具合を合わせます。
更にスライド部分を分解する場合、リコイルスプリングガイドが長すぎてそのままでは分解出来ません。
リコイルスプリングガイドは、前後2つのパーツがネジで繋がれているので前後にある孔に六角レンチ等を挿して回して、ネジを外します。
リコイルスプリングガイドの前側パーツは前方に抜け、後部パーツとリコイルスプリングは、そのまま外せます。リコイルプラグも引き抜いて外せば、アウターバレル一式が前方に抜けて外せます。
アウターバレルを外してみると、ショートリコイルに必要なバレルロッキングラグが引っ掛かる、スライド内側の溝は綺麗に取り除かれバレル側のロッキングラグも、見た目的に残しただけの掘りの浅い物に
なっています。
完璧なストレートブローバック仕様です。
スライドのスライドリリースレバーが引っ掛かるノッチ部分には、内側に金属パーツが装備されて、ノッチが削れるのを防いでくれます。
大きくて重いコンバットマスターですが、手の吸いつきが良いスティップル加工が施されたグリップと、ダブルアンダーカットでハイグリップを容易にしたトリガーガードで、ハイキャパマガジンゆえの
ネガティブなグリップフィーリングは、随分と改善されている感じです。
トリガープルも、マルイ製ハイキャパの様なフェザータッチではなく適度な重さがあって、個人的にはフィーリングはとても良いです。
射撃時のリコイルショックは弾ける様な凄い衝撃で、射撃音も乾いた派手な音です。
同社のBH-USPと撃ち比べてみましたが、ブローバックの強さ自体は同じ位なのですが、スライド部分が重たい分だけコンバットマスターの方がズシンと重く、撃ち応えがありました。
後でスライド部分の重さを測ってみると、USPが251gて゛コンバットマスターが312gと、61gもコンバットマスターの方が重たかったです。
ホップアップ調整に気難しさは無く、適正ホップだと素直でフラットな弾道を見せてくれますし、距離10mの集弾性も安定感があって良い纏りでした。
1本のガスカートリッジで、100~110発位撃てますね。
バトン製コンバットマスターは観賞派の方には、全く向かない銃だと思いますが、快調作動で強烈なブローバックを楽しめるコンバットマスターは、今のところ唯一無二の存在ですから、これは味合わないと収まりが付きますまい。
ジョンウイック・パラベラムを鑑賞して、キアヌ・リーブスの実弾射撃トレーニングのYouTube動画を見てしまったら、このコンバットマスターを撃ちたくなる事請け合いです。
距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 10発
BATONコンバットマスタ | 26.7℃ 51% |
0.20gBB弾 平均初速 | 75.3m/s |
1発目 | 73.8m/s |
2発目 | 76.5m/s |
3発目 | 76.1m/s |
4発目 | 75.1m/s |
5発目 | 75.1m/s |