「Cz75」と言う銃を御存知の方も多いでしょう?
1975年にチェコスロバキア国営のチェスカ ズブロジョヴカ(チェコ銃器工業)が開発したオートマチックピストルで、口径は9mm。
高品質な素材を高水準の加工技術で作り上げたCz75は、高耐久で高精度な銃に仕上がり、コンバットシューティングの父、ジェフ・クーパー(1920~2006アメリカ)をして「理想のコンバットオート」と言わしめた、名銃です。
アメリカで大人気となったCz75ですが、当時は共産圏からの輸入は出来ずカナダ等を経由して少量しか入ってこなかったため、大量のコピー品が出回りました。
民主化の波で1993年にチェコとスロバキアが分裂すると欧米市場への進出が進みましたが、その頃にはポリマーフレームオート・グロック17の大ヒットと言う時代になっていました。
各銃器メーカーは二匹目のどじょうを狙ってポリマーフレームオートの開発に勤しむ中Czも1955年にグロックと同じストライカー撃発方式のポリマーフレームオートCz100を開発しました。
Cz100
ストライカー式とは銃の後部にハンマーは無く、バネ付きのファイアリングピンをトリガーを引く力で引っ張って、バネの戻る力で弾の後部を叩いて撃発させる方式でまあ、昔で言う銀玉鉄砲の様な構造です。なに?銀玉鉄砲を知らない?
すんません。おじさんしか分からないですね?
Cz100はグロック17と同じストライカー式DAO(ダブルアクションオンリー)、つまり常にダブルアクションのトリガープルになります。
常にダブルアクションだから、シングルアクションに比べるとトリガーは重いしトリガープルのストロークも長いので、誤射も防げて安全ですよ~って考えでしたが逆にシングルアクションの速射性とかクイックなトリガーフィーリング等オートマチックの良い部分も潰してました。
で結局商業的には失敗し、少しの間ポリマーフレームオートの開発を止めてしまいました。
因みにグロック17もDAOですが、グロックはスライドが後退して戻る時にファイアリングピンが、ある程度プリコック(ある程度後退)した状態になるのでトリガーは軽く、ストロークも短くなります。(それ故のセイフティ構造もあります。)
グロックを追いかけるのを止め、心機一転外部ハンマー式ポリマーフレームオートのコンパクトモデル Cz P-07を開発したのが2009年。2013年には、フルサイズモデルのCz P-09が登場しました。
CO2ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 205mm
重量 782g
装弾数 25発
価格 21,780円 (税込)
初期不良修理保証付
CzP-09は、以前から134aガスブローバックハンドガンでKJ-WORKSさんからリリースされていますが、今回はCO2ガス仕様となってCarbon8ブランドでの発売です。
衝撃に強いナイロンポリマー樹脂製の外観は、思ったほどザラザラギラギラ感がなく、フレームとスライドの微妙な色違いが実銃のポリマーフレームっぽくもありけれど一体感もある質感で、雰囲気は良いですね。
Cz社とライセンス契約しているので、刻印類は・・・まあCzマーク等しっかり入ってますが、フレーム左側面の実銃では「MADE IN CZECH REPUBLIC」が「DESIGNED IN CZECH REPUBLIC」に変わっています。
まあ、フレーム右側面に「MADE IN TAIWAN」と刻印されているのでダブり回避的なものでしょうか。
それよりも、以前のモデルにはあったスライド左側面の「9×19」の文字がなくなってるのと、フレーム右側面に有るはずの社名と住所とシリアルプレートがまるでないのは如何なものか。
ライセンス契約を謳うなら拘ってほしかったですね。
チャンバーにも全く刻印が無いのも・・・もういいです。
フレームのダストカバー部には、ロングサイズのアンダーマウントレイルが装備されています。
フルサイズのP-09にロングサイズのマウントレイルなのでガッツリ大きめのフラッシュライトでも、難なく装着出来ます。
しかもトリガーガード前部が直角に切り立っているので、両手で構えた時は指を引っ掛け易いですし、フラッシュライトを装着した時のはまり具合はバツグンです。
アウターバレルはメタル製で、スライド操作時には金属っぽい音がします。
マズル内側にはライフリングが再現され、少し奥から真鍮製のインナーバレルが覗いてます。
スライドは、フレームが外側から包む様に嚙み合っているし、スライド上部は前方に行くほど斜めにカットされてるデザインなので、かなり小振りに見えます。
なのでスライド前後に滑り止めのセレイションが施されているとは言え、スライドの引き難さは否めませんね。
スライドリリースレバーとアンビ(両側仕様)セイフティレバーは共に大きくて使いやすいのですが、スライドリリースレバーはデザイン的要素が大きいような気が。
セイフティレバーはハンマーが起きている時にだけセイフティに出来きコック&ロック(チャンバーに弾を装てんし、ハンマーが起きたままセイフティにしてる状態)が可能で、まさにプロ仕様です。
実銃にはデコッキング(起きているハンマーを安全に落とす機能)が備わっており、デコッキング仕様に出来るレバーとセイフティレバーの2つが付属していて、好みで付け替える事が出来ます。(付け替え自体は、ちょっと面倒くさそうですが)
個人的には、なぜ分けるのか理解に苦しみますね。どうせならヘッケラー&コック社のUSPの様に、コック&ロックのセイフティもデコッキングもどちらも出来る仕様にすれば良いのにと思いますが。
Carbon8製Cz P-09にはデコッキング機能は無く、セイフティレバー仕様になってます。
スライドリリースレバーの前部には、なにやらムニュムニュしたステッピングが施されていて、呪文でも書いてあるのかと思いましたがどうやら両手で構えた時に、指をあてがう時の滑り止めの様です。
確かに見た目以上に引っ掛かりが強いです。
このパターンはグリップにも施されてますね。
グリップのバックストラップは、残念ながら交換は出来ない様です。
まあ、交換するパーツ自体無いですけど。
フロント・リアサイト共にホワイトドットが入っていますが、フロントサイトがペイントのホワイトに対して、リアサイトはプラパーツが埋め込まれています。
道理で、やたら綺麗な円だと思った。
これは、屋外の明るい場所だと何でもないのですが、室内の薄暗い所だとフロントサイトとリアサイトのドットの鮮やかさの些細な違いが気になるのは神経質過ぎるのかな。
マガジンの装弾数は25発で、マガジン・フォロアーを下げておきながらフォロアー・スリットの少し広がってる部分からBB弾を流し込みます。
ガスカートリッジの装てんは、まずフォロアースリット下部のロックレバーを上にスライドさせてロックを解除しながらマガジン・ベースを前方に引き抜きます。
後はガスカートリッジをはめ込んで、付属の六角レンチでマガジン底部のネジを締めます。
締めていくとマガジン側のノズルがカートリッジ先端を突き刺し、ガスが漏れる音がしますが、ひるまず締め続けて漏れる音がしなくなったら完了です。
強く締めすぎるとパッキンを痛めて、本当のガス漏れの原因になるので注意です。
ホップアップの調整はフレームからスライドを外して行います。
マガジンを抜いてから、スライドとフレームの印部分が合う様にスライドを少し後退させます。
つぎにスライド・リリースレバーの軸をフレーム右側から押し込んで左側から引き抜きます。あとはスライドを前方に押し出せばスライドが抜けます。
チャンバー底部の、大きめの調整用ネジを回してホップ調整しますが微妙な調整はマイナスドライバーを使った方が良いですね。
ただ最初は調整の感覚が分からないので、試射と分解の繰り返しが続き面倒くさかったです。
スライドのスライドリリースレバーが引っ掛かるノッチの部分には、やや小振りながら金属製のピンが埋め込まれていて、スライドリリースレバーが繰り返し引っ掛かる事で起こる、削れや変形を防いでくれます。
程好い重量感と、フルサイズながら握り心地の良いグリップのお陰で構えた感触は良好です。
特にグリップ根本の括れが握った手にフィットして、しっかりグリップ出来ます。
なのでバックストラップの交換が出来ないのがとても残念ですが、無いものねだりになってしまうのでしょうか。
小振りで引き難いスライドは、まあ重くは無いのでそれほどでもないかな。
ただスライド前部のセレイションに、手を覆い被せる様にしてスライドを引くと例のステッピングに指が引っ掛かり、痛かったりします。
ダブルアクションのトリガープルは重くてスムーズさが無いのですが、KSC製のCz75も同じ様な感触なので、Cz系はこういう物なんでしょうか?
まあ、デコッキング機能が無いので、ダブルアクションはあまり使わないと思いますが。
シングルアクションのトリガープルは、ストロークはやや長めで軽い引き心地が最後までフラットに続く感じ。
これでストロークが短かったら、マルイのハイキャパか!?と突っ込みを入れてましたよ。
Carbon8製のブローバックガスガンは、CO2の高いガス圧を生かしたドッカン!ブローバック系と、リコイルショックをマイルドに抑える代わりに撃てる弾数を増やしたマイルド系とに分かれるのですが、Cz P-09はストライカーナインと同じく、マイルド系になります。
なので普通のガスガンでは絶対に味わえない超強烈なリコイルショックを期待して撃つと あれ?ってなりますが、それでもCO2らしいシャープで力強いうち心地はありますし、とにかく普通のガスガンより寒さに強いのが有難い。
ストライカーナインと撃ち比べてみると、リコイルショックは同等か僅かにマイルドか。
気温や射撃間隔等で微妙に変化するので・・・・・大雑把に言えば同じくらいです。
今の季節では公称値通り、ガスカートリッジ1本で120発は撃てるので確かにドッカン!系より燃費は良いですね。
弾の飛びは苦労して適正ホップに合わせたお陰か、フラットに元気良く飛んで行きます。
10mの集弾性も素直な感じです。
134aガス仕様のP-09では、ホップが気難しいとネットのレビュー等に書かれて
いたので覚悟してましたが、良い意味で肩すかしでした。
最近の実銃ではストライカー式のポリマーフレームオートが増殖してる中、貴重な外部ハンマー式でスタイル的にも面白い、個性的なCzは如何かな。
STGA(全日本トイガン安全協会)の安全基準適合品で、故障時の保障もしっかり対応していて安心ですし。
カーボネイト CZ P-09 | 20.8℃ 42% |
0.20gBB弾 平均初速 | 82.4m/s |
1発目 | 81.9m/s |
2発目 | 83.4m/s |
3発目 | 82.1m/s |
4発目 | 82.7m/s |
5発目 | 81.8m/s |
距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾10発
Yahoo!ショッピングでCz P-09をみてみる 楽天市場でCz P-09をみてみる