実銃レミントンM870は、1951年に開発されたポンプアクション式の散弾銃で現在でも狩猟用の他、警察や軍隊等幅広い分野で使用され続けています。
削り出しスチール製レシーバー等堅牢で耐久性が高く、安定した性能なのもそうですがその価格の安さや、執行機関での採用実績も長年に渡りレミントンM870が米国ユーザーに好まれている要因のひとつです。
マグプル・インダストリーズ・コーポレーションは、主にポリマーを用いた銃器メーカーで社名のマグプルは、同社が最初に製造した製品の製品名で、マガジンをポーチから素早く引き抜くために、マガジンに装着するゴム製ストラップ「マグプル」が、そのまま社名になりました。
2014年にマグプルによって開発されたレールアタッチメントシステムである「M-LOK」は、その優れた合理性と拡張性で瞬く間に普及し、現代タクティカルライフルには必須アイテムと成りつつあります。
ポンプアクション式コッキングエアガン
固定ホップアップシステム
全長 930mm
重量 1,600g
装弾数 30発(3発同時発射式)
価格 16,500円 (税込)
中国のCYMA製M870 タクティカル・スポーツライン(廉価モデル)は、良くも悪くもスポーツラインらしい作りのショットガンです。
実銃でのレミントンM870タクティカル・ショートバレルにマグプル製のフォアエンドとストックを装着したカスタム・ショットガンをモデルアップしたもので、レシーバーやフォアエンドとストックはプラスチック製になります。
早速見てみると、多少マットな質感に仕上げられたレシーバーに刻印はありません。
刻印が有るタイプも販売されていますが、見た感じはプリントぽかったので(違ってたらすいません)、あまり魅力も。この時在庫もなかったので今回の物は無刻印モデルです。
M870タクティカルのレシーバートップには、20mmマウントレイルが装着されていますが実銃だとマウントレイル後部に装備されているリアサイトはありません。
マウントレイルもプラスチック製です。
リアサイトが無いので、アウターバレル先端部分にフロントサイトも装備されていません。
金属製のアウターバレルの先端には、何やら物騒な形の金属製パーツが装着されています。
こんな危なっかしいフラッシュハイダーは無しだろー!先っぽ触ると痛いし!と思っていたら、実銃M870タクティカル用にもレミントンさんは作ってました。
実物の写真が無く、これは実物に似せたマルイ製M870タクティカル用なのですが形が実物に近いので、これで。
これはチョークチューブで、前半分がフラッシュハイダー形状になってる物ですね。
チョークチューブとは、散弾銃の銃身の先端部分内側に装着するチューブ状の物で銃口の径を狭くする事で、広がりながら飛んで行く散弾の広がり幅を幾分狭くする事が出来ます。
あまり散弾の飛びを広げたくない時に使うアイテムです。
勿論エアガンの場合はチョークチューブの効果はないので、このCYMA製M870タクティカルに装着してある物もチョークチューブ部分はありません。
ただのフラッシュハイダー化してます。
フラッシュハイダー先端部分から中を覗くと、3発同時発射用の3本のインナーバレルが見えます。
マガジンチューブ先端のキャップはネジ式で、キャップを開ければショットシェル・マガジンを2本収納する事が出来ます。
スリング(肩掛けベルト)取付け用のスリングスイベルは金属製で、キャッップを取付ける時に挟み込んで固定します。
なのでマガジンチューブからショットシェル・マガジンを取り出す時には外れてしまいます。
また、スリングスイベルの取付け角度を変える事は出来ませんし、スリングスイベルとフォアエンド先端との隙間が狭いので、スリングを装着するとフォアエンドと干渉しそうです。
フォアエンドはマグプル製レミントン870用フォアエンドをリアルに再現しています。
刻印は無いですけど。
実物フォアエンドの両側と底部には、M-LOK規格のスロットが開けられてます。
M-LOKはマグプルが開発したレールアタッチメントシステムで、スロットのサイズは7mm×32mmに規格が統一されています。
CYMAのスロットを測ってみると高さが平均5.4mmしかなく、CYMA製M-LOK用マウントレイルを試しに装着しようとしましたが、スロットが小さくて装着出来ませんでした。
残念。
因みに、底面のスロットの幅は大きかったのですがコツキングの構造的に元々装着は無理でした。
フォアエンドの表面はシボ加工が施されていますが、プラスチック素材そのままなのでツルツルと滑りやすいですね。
マガジン・チュープ周りはコッキングシステムのためか、デフォルメされているのですがショートバレルなのでマガジン・チュープも短くて、あまり目立たないのは幸いです。
それに、フォアエンドと機関部を結ぶアクションバーとかは、実銃と同じ様に作ってしまうと、直ぐに壊れるでしょうからコッキング仕様にして正解でしよう。
フォアエンドを引いてコッキングすると、ダーミーボルトが半分程度開きます。
まあ半分でも動く方が楽しいですが、エジェクションポートの中はつまらない光景です。
せめて、真っ黒にして欲しかったです。
ストックもマグプルタイプで、バックプレート部分に2枚のスペーサーを抜き差ししてストックの長さを調節する構造も、忠実に再現されています。
作業自体も六角ネジ1本を外すだけで、バットプレート部分が引き抜けるので簡単に調整出来ます。
スタンダードのレミントンM870では、まあ体付きにもよりますが私の場合ストックが長くて結果的に構えた時にフォアエンドが遠くに感じて、少し引き難いと感じます。
なのでストックの長さが調節出来るのは、大変ありがたいですね。
ストック両側にある、スリングのベルトを取付ける部分はプラスチック製なのでスリングを付けて荒く取り扱うのは、注意が必要です。
CYMA製M870タクティカルには、サイドマウント・シェルキーパーが付属しています。
これはレシーバー左側に取付けられる、ショットシェルのホルダーで本体はプラスチック製ですが、マウント部分は金属製なので、取付けはガッシリしています。
ショットシェルを装着する孔には、装着したショットシェルがずり落ちない様に柔らかい素材の突起があるのは、親切ですね。(写真②)
取付けは まず、写真①のレシーバー部分の2本の六角ネジを外します。
次にシェルキーパーを、取付けるネジ穴に合して元のネジより長いネジが付属しているのでそのネジを使って取付けます。(多分そうです。なんせ説明書が付属して無いものですから)
CYMA製M870タクティカルには、ショットシェル・マガジンは1発しか付属してないのでCYMA製ショットシェル・マガジン6本セットを合わせて購入しておけば丁度シェルキーパーに6本挿せます。
シェルキーパーにショットシェル・マガジンを上から挿そうとしたら、固くてショットシェルに巻いてあるシールが剝げそうになったので、下から挿しました。下からの方が、幾分挿し易い様です。(写真④)
ショットシェル・マガジンの装弾数は30発で、付属してるマルイ製に激似のBBローダーでショットシェルの頭部から、BB弾を装てんします。
3発同時発射で装弾数が30発なので、10ショット撃てる事になります。
ショットシェルの文字は、プリントされたシールが巻きつけてあるだけなのでちょっと安っぽいですね。
ショットシェル・マガジンはマルイ製と互換性があるみたいですよ。
シェルキーパーを取り付けたついでに光学サイトを載せてみました。
一番上は3~9倍のスコープです。真ん中はホロサイトで、一番下は小型のドットサイトを付けてみました。
なんだかどれも似合いますねえ。
ショットシェル・マガジンの装てんは、実銃でのローディングポート部分に装着します。
実銃でのアクションバーロック(矢印部分)を押し込むとロックが解除されてフタが開くので、先にショットシェル・マガジンの頭から差し込み、全体を押し付けて装着し、フタを閉めます。
ショットシェル・マガジンを取り出す時も、ロックを解除するとフタが開きショットシェルマガジンの後部が少し浮くので、指で摘まんで取り出します。
トリガーガード付け根部分にクロスボルト式のセイフティがあります。
左側から押すとセイフティになり、トリガーがロックされ反対側から押し戻せば解除されます。
通常時でもコッキングした状態でもセイフティにする事が出来ます。
セイフティ状態でもコッキングは出来ます。
スポーツラインモデルのプラスチック製なので、剛性感が今一つなのはしょうがないですね。
プラスチック部分がナイロンファイバー樹脂製にグレードアップしたら格段に魅力的になりそうですが。
ポンプアクション式のコッキングエアガンなので、フォアエンドを引くのがかなり重いので余計に銃のきしみを感じる様な気がします。
まあ、プラスチック製と言う「先入観」もある程度手伝ってると思いますが。
フォアエンドを引いて戻す操作音が、素早く操作すると「ガッチャン」と結構良い音がするのは、予想外に嬉しい点でした。
コッキング自体は、18歳以上用で3発同時発射のコッキングエアガンなので、コッキングの重さも最上級レベルですが、マルイ製の同クラスと比べて別段重いこともなく意識してしっかりフォアエンドを握って引けば、手が滑ってコッキングを失敗する事も無いでしょう。
このCYMA製M870タクティカルは、ラピッドファイヤー・システムを搭載しているのでトリガーを引いたまま、フォアエンドを引いて戻す操作を続けると連射する事が出来るのですが、頑張れば連続コッキングして全弾撃ち尽くす位はできますね。
トリガープルが重いのもコッキングエアガンの宿命ですが、一気に引いてしまえばブレも少なく撃てるでしょう。重いけど粘っこくは無いので。
私の場合18歳以上用では、ハンドガン以外は基本0.25gBB弾を使うのですが固定ホップアップ仕様の場合は、自分で飛びを変えられないので0.20gにするかどうか何時も悩んでしまいます。
今回は3発同時発射なので、0.25gBB弾だと飛びに重々しさが感じられましたし、0.20gBB弾でも、弾道は浮かずにフラットな飛びでしたので0.20gBB弾が適している様です。
まあ、0.25gBB弾と両方テストしましたが。
距離12mの集弾性でも、散らばり方もそんなに差は無いので、元気に飛ぶ0.20gBB弾の方が良いですね。
これ位の散り方なら、比較的近接戦で結構使えるのではないでしょうか。
まあ、耐久性が気になる所ですが。
そんな不安はありますが、なかなかに性能良くて取り回しも良く楽しいショットガンです。
CYMA M870タクティカル | 25.4℃ 45% |
0.20gBB弾 平均初速 | 86.7m/s |
BB弾1発発射-1発目 | 87.2m/s |
BB弾1発発射-2発目 | 86.9m/s |
BB弾1発発射-3発目 | 86.2m/s |
BB弾1発発射-4発目 | 87.2m/s |
BB弾1発発射-5発目 | 86.2m/s |
ショットシェル・マガジンにBB弾を1発だけ装てんして、1発発射を計測しました。
因みに2発発射の平均は、76.4m/s 3発発射の平均は、63.1m/sでしたが
正確に計測出来たのかは疑わしいので、(複数飛んでる弾を計測してるので) 参考まで。
CYMA M870タクティカル | 21℃ 49% |
0.25gBB弾 平均初速 | 78.6m/s |
BB弾1発発射-1発目 | 78.3m/s |
BB弾1発発射-2発目 | 78.1m/s |
BB弾1発発射-3発目 | 79.3m/s |
BB弾1発発射-4発目 | 78.3m/s |
BB弾1発発射-5発目 | 79.1m/s |
こちらもショットシェル・マガジンにBB弾を1発だけ装てんして、1発発射を計測しました。
因みに2発発射の平均は、67.3m/s 3発発射の平均は、55.3m/sでしたが
正確に計測出来たのかは疑わしいので、(複数飛んでる弾を計測してるので) 参考まで。
距離 12m 2cm刻みの円 0.20gBB弾
3ショット×5発
距離 12m 2cm刻みの円 0.25gBB弾
3ショット×5発
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