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PPK-20は、ロシアのカラシニコフ・コンツェルン(旧イズマッシュ社)が開発した、口径9×19mmの最新サブマシンガンです。
「PPK」と言っても、決して007で有名なドイツのワルサー社の銃ではありません。
AK系のアサルトライフルでは、警察等の法執行機関用としては威力が強すぎるため、AK系に代わるサブマシンガンを求めていたロシア連邦に対し、1995年にイズマッシュ社が開発したのがPP-19 ビゾンでした。
PP-19 ビゾン-2 (ウィキペディアより転載)
PP-19は、作動に関して非常に信頼性のある「AK系」の機関部をベースにしていて、PP-19 ビゾン-2は構成パーツの半分以上をAKS74と共有し、AKではお馴染みの安全装置を兼ねた大型セレクターも、そのまま採用されています。
PP-19は、その後も度重なる改良が施され、近年ではベースになったAKの進化に合わせて、AK-12のパーツも取り入れる様になりました。
そして2020年にはPPK-20が開発されましたが、2021には更に改良型が開発されていて、最新モデルではピカティニー・レールやM-LOKスロット、アンビタイプのセレクターレバー等の近代的なパーツを装備しています。
WELL PRO PPK-20 プリコックETU
セミ・3ショットバースト・フルオート プリコッキング電子トリガー電動ガン
可変ホップアップシステム
全長 610~690mm(伸長時)
重量 2,057g
装弾数 30発/90発切替可能
価格 37,500円 (税込)
この銃の特徴 |
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〇AKベースの最新SMGをプリコッキング電子トリガー電動ガンでモデルアップ |
〇軽量コンパクトで、実射性能もプリコッキングも秀逸なのでゲーマー向けか? |
〇マガジン・ハウジングを外すと、AKマガジンを装着出来るのは面白いし、ゲームでは装弾数が増やせて有利。 |
この、「AKをサブマシンガンにしました!」的なPPK-20は、すでにアークタウラスやLCTが電動ガンでモデルアップしていますが、今回WELL PROがモデルアップしたのは最新バージョンのPPK-20。
アークタウラス PPK-20
LCT PPK-20
新しいバージョンの実銃PPK-20の仕様は、初期型よりかなり外装やセレクターの仕様辺りが変更されている様です。
今回はAKの血を引く「サブマシンガン」と言う事で、かつての9mm口径SMG代表選手「MP5」と比べてみました。
写真はマルイ製MP5のPDWですが、PPK-20の方が一回り肉付きが良い印象です。
まあ、コンパクトですけどね。
WELL PRO PPK-20の外装は、可動部分の主要パーツ以外ほぼ強化樹脂製で、重量2,057gと軽量です。
見た目の質感は、全体的にややザラザラとした感じの仕上げで、これはS&T製やCYMA製で言う所の「スポーツライン」クラスな外観(要は廉価クラス)ですが、刻印類は実銃通りに入っていてリアルです。
レシーバーのトップカバー上部とハンドガード上下には、20mmのマウントレールが装備されていますが、全て樹脂製なので無茶な扱いは出来ません。
トップカバー部のマウントレールと、ハンドガード部分のマウントレールの形状の違いは、実銃通りに再現されています。
因みに刻印の6П73(6P73)は、GRAU(ロシア連邦国防省ロケット・砲兵総局)のインデックス番号になります。
ハンドガード左右側面にはM-LOKも装備されていますが、耐久性を思えばハンドガード部分だけでもメタル製の方が・・・と。
マズル先端の樹脂製フラッシュハイダーは、さすがにプラ感アリアリで見た目の質感が安っぽいですね。
フラッシュハイダーの下側に小さな穴が有るので、イモネジで固定されているのかと思ったらネジ自体がありませんでした。
まあ、樹脂製フラッシュハイダーは軽いので、固定されていない物もよく見られる事ですが。
フラッシュハイダーを外すと、14mm逆ネジになっているので各種マズルアクセサリーが装着出来ます。
写真は、マルイ製ショートタイプ・プロサイレンサーですが、格段に格好良くなってますよね?
フロントサイトは、MP5よりもガッチリしたアーチ状でガードされています。
真上部分に穴が開いているので、アジャストツールを使えば上下の調節が出来ると思うのですが、ツールは附属していません。
リアサイトはビープホールタイプで、上下の調節が出来ます。
リアサイトのビープホールを上から抑え込むと、ダイアルのロックが解除さけるので、抑え込んだままダイアルをまわして高さ調整をします。
高さは6段階に調整出来ます。
初期の実銃PPK-20は、AK系と同じ様にレシーバー右側面に、ダストカバーを兼ねた大型のセレクターが装備されていました。
しかし最新モデルでは、より操作性の良い小型のセレクターが装備され、しかもセレクターはアンビ(両側)タイプ。
AKのセレクターでは、一番上側がセイフティ位置で真ん中がフルオート位置、一番下がセミオート位置と言う並びでしたが、PPK-20では右側面で言うと、左からセイフティ→セミオート→フルオートと言う並びになっています。
AK時代の名残りの様なダストカバーは、セレクターをセミオート、フルオートにすると、ボルト作動の邪魔にならない様に、連動して下がって行きます。
フォールディング・ストックは8ポジションと、細かく調節が出来ます。
ストック付け根のロック解除ボタンを押し込むと、ストックを右側に折り畳めます。
セレクターがアンビタイプなので、ストックを折り畳んだ状態でもセレクター操作が出来るのは良いですね。
右利きの場合、やっばり右側にストックが畳めるのがみそ。
マガジンの装弾数は、実銃の装弾数と同じ30発と、より沢山撃てる90発を切り換え出来るタイプ。
今回、WELL PRO PPK-20で面白いと思った仕様が、マガジン・ハウジングを取り外すとAKマガジンが装着出来るという物。
まあ、リアル派から見れば「なんじゃそれ!」的な物ですが、ゲーム等で装弾数が多いマガジンを使いたい時や、銃の雰囲気を変えてみたい時には、とても良い機能だと思います。
実際に試してみるとマガジン・ハウジングは、トリガーガード一体のグリップを外した後、六角ネジのピンを1本外すだけで簡単に取り外し出来ました。
ただ、マガジン・ハウジングに取り付けてあるマガジン・キャッチのパーツを、銃本体に付け替えるのがちょっと面倒。
これがワンタッチで出来れば、もっと気軽に楽しめるのに。
折角の面白機能なのに、ちょっと勿体無い感じ。
エアガン用のマガジンは、「互換性があります」と言う物でも、エアガンメーカーによってマガジンサイズが微妙に違ったりするので、相性なるものが存在します。
なのでWELL PRO PPK-20も、販売されているH.T.G.さんではネットの商品説明や紹介動画の中で、代表的なメーカーのマガジンの検証結果を記載されています。
上の写真は手持ちのマガジンを装着した物ですが、この中でCYMA製Pmagマガジンは「給弾△」と記載されていました。
どうやら「難あり」らしい。後で撃ってみますが・・・。
個人的にはショートタイプ・マガジンが、サブマシンガンぽくコンパクトでお気に入りですね。
バッテリー収納は、一般的なレシーバー・トップカバー内に装着するタイプ。
7.4Vか11.1Vのリポバッテリーを使用します。
注意点は、コネクタが「T型」な事。なので国内で一般的なミニコネクタ・バッテリーしか持っていない方は、変換アダプターが必要になります。
ただアダプターを使うと配線が長くなり、レシーバー・トップカバーを装着する時に配線を挟んだり圧迫してしまう心配が増します。
バッテリー・タイプは、やはりAKタイプが一番収納し易いですが、小型ならスティックタイプ等でも問題ありません。
レシーバー・トップカバーを外しストックを折り畳むと、QDスプリング・システムで簡単にメインスプリングを取り外す事が出来ます。
へたったスプリングの交換やカスタムには、メカボックスを分解しなくて済むので、とても簡単便利です。
ホップアップの調整は、チャージングハンドルを引いてエジェクションポートを開けておきながら、ホップアップ調整ダイアルを回して行います。
チャージングハンドル用のスプリング・ガイドのロッドが邪魔して、ちょっとダイアルが回し難いのは用改良箇所。
搭載されている電子トリガーには、セレクター・フルオート位置でのフルオート⇔3ショットバースト設定、バイナリトリガー設定、プリコッキングの5段階設定の機能があります。
バイナリートリガーとは、トリガーを引いた時と戻した時に弾が発射される仕組み、つまり1回のトリガーアクションで2発発射される仕様の事。
バイナリートリガーだと、セミオートでも高速連射が可能になります。
設定方法は、セレクターをセミオート位置にしてトリガー操作で各種設定します。
電子トリガーの各種設定を、トリガーを操作して設定するためか、バイナリートリガー時の操作性のためか、ややトリガーストロークは長め。
なので、折角プリコッキングでのキレのあるクイックなトリガーフィーリングを、スポイルしてしまってますね。
プリコッキング自体は優秀で、真ん中位の設定でもタイムラグを感じない撃ち心地でとても良いのですが、プリコッキングで縮めてるスプリングを機械的にリリースする仕組みは搭載されていません。
暫く撃たない時などは、プリコッキング設定を最弱にして1~2発撃っておくしかないのかな。
実射性能も優秀で弾道も真っ直ぐな飛びですし、距離12mの集弾性能テストも良く纏まっています。
バッテリーは11.1Vの方が秒間23発のハイサイクルフルオートでセミオート時のキレも更に良くなりお勧めですが、メカへの負担が心配。
まあ、射撃音は低めで音的にも余裕は感じられるのですが、なにせメカが強化されているのかどうか分からないので・・・情報無さすぎ。
7.4Vバッテリーでも、フルオートは秒間13発程度と平均的数値で、プリコッキングのキレの良さも感じられるので11.1Vと7.4Vの併用が寿命をのばすには良いかも。
AKマガジンですか、手持ちのマガジンでは一応撃つ事は出来ました。
例のCYMA製マガジンですが、セミオート射撃は問題なかったものの、ハイサイクル・フルオートでは若干歯抜け状態になっていました。
ハイサイクル・フルオートでは、マガジンの弾の押し上げ能力も高くないといけないのかな。
相性や個体差もあるので、なかなか断定した事は言えませんがね。
WELL PRO PPK20は、高機能電子トリガーや、高い実射性能を持つ優秀なサブマシンガンです。
レアな電動ガンを探してる方にはピッタリかも。
まあ、全身樹脂製なのが許せるかどうかですかね。
個人的には、この価格でフルメタルかハンドガード部分だけでもメタル製なら、大絶賛でしたが。
距離 10m 半径2cm刻みの円(横幅A4サイズ)
0.25gBB弾 セミオート10発
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0.20g、0.25gBB弾の初速は、それぞれでの適正ホップ時の数値です。