L9A2は、東京マルイさんもモデルアップしているブルパップ式アサルトライフル「AUG」で有名な、オーストリアのSteyr Mannlicher(シュタイヤー・マンリヒャー)社が開発した9mm口径ポリマーフレームオート・ピストルです。
しかしこのA2シリーズが、シュタイヤー・アームズ社でラインナップされている唯一のピストルとは意外でした。
STEYR-AUG (Wikipediaより)
昔ながらに、日本のトイガン界では「STEYR」をステアーと呼んでいて、マルイさんもステアー表記ですが、KSCさんはスタイヤー表記。
ただ、ドイツ語読みではシュタイヤー、英語読みではステイアーに近い発音とされているので、当サイトではシュタイヤーと呼びます。
で、2019年に開発されたL9-A2は、1999年に発表された「シュタイヤーM」の第四世代モデル。
シュタイヤーMは、同じオーストリアのグロツクを意識した・・・と言うか、完全に2匹目のドジョウを狙ってる感のあるポリマーフレーム・オートで、システム的にも良く似た構造をしています。
まあ、外観は癖つよな見た目ですが。
名称「L9-A2 MF」の意味は、Lは3種類ある銃のサイズの中での大型を指し、9は9mm口径。
A2は改良型を指します(コルトM1911A1の様に)が、第3世代モデルでも名称がA1のままだったので、第4世代はA2になります。
MFは、モジュラーフレームの略です。
(Wikipediaより)
Cabon8 STEYR L9A2 CO2-GBB
CO2ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 203mm
重量 645g
装弾数 22発
価格 31,680円 (税込み)
この銃の特徴 |
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〇オーストリアのSTEYR社オフィシャルライセンスモデル |
〇リコイルショックは、M45シリーズに比べるとややマイルトな味付けで扱い易いCO2ブローバック |
〇多彩に調節出来るグリップと低重心なスタイルは扱い易い。実射性能も優秀で安定感もある |
カーボネイト L9A2は、シュタイヤー社のハンドガン L9A2-MFをモデルアップしたもの。
シュタイヤー社の正式ライセンス・モデルと言う事で、刻印類は期待出来ますね。
当然ながら、STGA(全日本トイガン安全協会)認定CO2ガスガンで、スライドは樹脂製です。
マットな仕上のスライドと、やや光沢があるザラザラした見た目のフレームが、実銃のポリマーフレーム・オートの雰囲気を醸し出していて、質感は良いですね。
正式ライセンス・モデルと言う事で刻印の文字やマークは正確に刻まれていますが、チャンバー部分を含め細かい刻印は省略されています。
写真では隠れてしまってますが、チャンバー部分は下の方に「9×19」の刻印が入ってますが、これのみ。
YouTube等で実銃動画を見ると、スライドのセレイション・サイズや刻印の位置の違う物が数パターンみられました。
これは生産時期とか、生産国での違いなのか?
なので今回カーボネイトさんがモデルアップされたタイプと、現在シュタイヤー社のウエッブカタログに載っている物では、刻印の位置に若干の違いがあります。
でも決して「実銃と違うやないか!」と思わない様に。
フレームのダストカバー部には、20mmのアンダーマウントレールが装備されています。
ガッチリとしていて長さもあり、スリットの数も多く使い易いです。
フラッシュライトも綺麗に収まり、装着感も良いですね。
前後のサイトは、トライアングル・サイトと言われる三角形の独特な物。
△形のフロントサイトを、△形(正確には台形)に開けられたリアサイトに合わせて、サイティングします。
まあ、これも慣れだと思うのですが、微妙な感覚。
まっ平なスライド上面は、まるでグロック。
チャンバー後端にはのぞき穴があって、金色な物が見えてます。
これは実銃での、チャンバーに弾が装てんされているか確認出来る、ローデッドチャンバー・インジケーターを再現した物です。
当然ながらエアガンでは、その機能はありませんが、スライドが後退を始めると「金色」が隠れるという拘りのギミックも搭載。
トリガーは、グロックと同じ様なトリガーセイフティ装備。
トリガープルはグロックよりも、指先にセイフティの存在を感じる、見た目通りな引き心地。
トリガープルも、やや重めな感触ですね。
L9A2は、好みに合わせてグリップパネルとバックストラップを交換する事が出来ます。
交換は、グリップピンをポンチ等で外すとグリップパネルとバックストラップ両方外れます。
グリップパネルは、厚みのある物とフラットの2種類。
バックストラップは、L・M・Sの3種類が付属しています。
グリップパネルは左右違う物も嵌めれるので、全部で12パターンの組み合わせが出来ます。
まあ、指の短い私の場合、フラットなグリップパネルとSサイズのバックストラップの組み合わせで、やっと丁度いい握り心地になりましたが。
L9A2には、トリガーセイフティの他にトリガーロックの安全装置が装備されています。
専用工具でフレーム右側にあるドラムを反時計回りに90度回転させると、トリガーがロックされセイフティ状態になります。
セイフティ・ドラムはテイクダウンレバーのロックも兼ねているので、通常分解する場合はマガジンを抜いた後、ドラムを押しながら(あるいはセイフティ状態にして)テイクダウンレバーを90度下げます。
一度スライドを引いてコッキングしてから、勢いをつけてスライドを前方に押し出すとスライドが外れます。
スライドとフレームは外れにくいので、しっかり保持しながらスライドを押し出した方が良いです。
ホップアップ調整ダイアルはチャンバー下部にありますが、ダイアル操作部分が狭いので、やや操作し難いですね。
リコイルスプリングアッセンブリーを外せば、アウターバレルも簡単に外せて、通常分解出来ます。
スライドストップ・ノッチには、金属製のピンが埋め込まれていて、スライドのホールドオープン時の衝撃でノッチが削れたり変形しない様対策されています。
マガジンの装弾数は22発。
マガジン・フォロアーを下げながら、BB弾を投入部から流し込むか、BBローダー等でマガジン・リップ部から装てんします。
マガジン・フォロアーのスリットが広くなっている投入部は、長めに設定されているのでBB弾を流し込み易いですね。
CO2カートリッジは、マガジン左側面からはめ込むタイプ。
マガジン・バンパーを外して、CO2カートリッジを装てんして付属の六角レンチでボトムスクリューを締めれば装着完了。
マガジンには、マガジン・キャッチ用の切り欠きが両側に施されています。
マガジン両側に切り欠きがあると言う事は、左右どちらのマガジンキャッチも対応しているということ。
説明書にはマガジンキャッチ・リリースボタンの付け替えに関しては書かれていませんが、細長い形状のマガジンキャッチ・リリースボタンを見ていたら、左右向きを変えられそうな気が。
スライドを外してグリップ内側を覗いてみると、スプリング・バネ1本外せば出来そうな?
で、試してみると左右向きを変える事が出来ました。作動も問題ありません。
しかもこのマガジンキャッチ・リリースボタンが、やや高い位置にあるので右側に付け替えても誤作動し難く、グリップを握ったまま人差し指で押せるので、素早いリリースが出来ます。
なので、これはこれで面白いですね。ぜひ左右入れ替えて遊んでみて下さい。
L9A2は無骨な見た目ですが、ハイグリップでスライドの高さも低く設計されていて、サッと銃を構えた時のエイミング(狙いを付ける動作)がし易い印象です。
グリップの握り心地が、やや大きく感じるのはトリガーが少し遠い気がするからなのかな。
まあ、私の指が短いせいなのですが。
撃ち心地は、同じカーボネイト製CZ-P09やストライカーナインと同様に、最大級のリコイルショックを持つM45シリーズよりは、ややマイルドなリコイルショックのブローバック・エンジンの味付ながら、CO2ブローバックガスガンならではの鋭く重いリコイルショックは楽しいの一言。
ただ、M45シリーズよりマイルドな味付けなのに燃費は変わらずCO2カートリッジ1本で撃てるのは70発程度なのは、ちょっと不満。
連射時のカートリッジの冷えによる初速の低下も同程度ですね。
撃ってみた印象は、初速は若干高めで良く飛ぶし集弾性能も高く安定感もあり、他のモデルと比べても実射性能は文句なし。
グロックはお腹いっぱいで嫌だーと言う方は、是非お試しを。
いや、これ扱い易いです。ほんとに。
距離 10m 半径2cm刻みの円(横幅A4サイズ)
0.20gBB弾 10発
カーボネイト L9A2 | 19.2℃ 45% |
0.20gBB弾 平均初速 | 84.6m/s |
1発目 | 85.6m/s |
2発目 | 86.8m/s |
3発目 | 84.5m/s |
4発目 | 83.4m/s |
5発目 | 82.9m/s |
計測機G-FORCE BB POWER TESTER |
0.20gBB弾の初速は、適正ホップ時の数値です。
秒間2発の連続射撃による初速の低下をグラフにしました。
同じカーボネイト製M45CQPとの比較です。
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