IMI タボール TAR-21は、IMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)社が開発し、後に銃器部門が独立して民間メーカーになったIWI(イスラエル・ウエポン・インダストリーズ)社が生産している、ブルパップ式アサルトライフルです。
ブルパップとは、機関部やマガジンがグリップより後方(ストック側)に配置されている銃の事です。
タボールと言う名は、イスラエルのガリラヤ地方にある、おわん型の小高い山で、イエスキリストにまつわる伝説が生まれた神聖な場所、タボール山から命名されました。
通称の「TAR-21」は、「21世紀のタボール・アサルトライフル」の略です。
ブルパップの特徴としては、銃身長を確保しながら全長を短く出来るので、射撃精度を落とす事なく銃をコンパクトに出来るメリットがある反面、重量バランスが悪くストックも長さ調節出来ないモデルが多い。またマガジン交換がし難いという欠点もあります。
セミ・フルオート電動ガン
可変ホップアップシステム
全長 686mm
重量 2,400g
装弾数 300発(ゼンマイ給弾式)
価格 37,400円 (税込)
この銃の特徴 |
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〇実銃のブルパップ式アサルトライフルをモデルアップ。 |
〇コンパクトでも長い銃身長 |
〇S&T製タボールの中でも、上級グレード |
S&T製タボールは実銃と同様に、バレル長やトップレイルの仕様等で幾つものバリエーションがありますが、今回はオーソドックスでバレルの短い、実銃での「CTR-21(Cはコンパクト)」のモデルアップになります。
コンパクトと言ってもブルパップの特徴を生かして、インナーバレル長は415mmと、カービンタイプとは思えない長さです。
今回のプロバージョンは、各パーツの樹脂素材が通常モデルよりも上質な物が使われていると聞いたのですが、ん~比較出来ないので確認出来ませんが確かに、レシーバーはシボ加工が施されていて、硬質な感触はあります。
ただ、モナカ構造のレシーバーは貼り合わせ部分が、バリが残ったままだったり隙間があったりと、美しく無いですね。
実銃でもパーティングライン(線状の成型痕)はありますが、このエアガンの物は目立ち過ぎます。
ストック部分左側には、リアルな刻印が施されています。
その下側にはQDスリングホール・・・ではなくて、ただの「穴」が開けられています。(実銃と同様)
ここに丈夫な紐を通して、スリングと結ぶ感じですかね。
バットプレート部分はラバー製ではなく、硬質なプラスチックです。
タボールのハンドガード部分は短く、左上部側面にチャージングハンドルがあります。
アウターバレル先端にはメタル製バードケージタイプのフラッシュハイダーが装備されていますが、これを外そうと思っても固くて・・・回らない。
固定のイモネジ類は無いし、14mm逆ネジだと思って一生懸命モンキーを使って頑張っても回らず。
えっ!まさかフラッシュハイダーは固定?と愕然としていたら、まさかの正ネジでした。
慌てて、昔戸棚にしまい込んだ正ネジ仕様のサプレッサーを探し出して、取り付けると装着出来ました。
ん~、正ネジだけどサイズが・・・何ミリだったか?多分14mm位だった様な・・・・。
フロント・リアサイトともに、独特な形状のフリップアップ式でフロントサイトは上下の調節が出来ます。
リアサイトはビープホール(覗き穴)式で、横方向に折り畳む珍しいタイプです。
リアサイトのビープホールの穴は小さくて見難く、ストックの位置も高いので特にサバゲー等でゴーグルを装着していると覗き難いです。
なので背の高い光学サイト装着がお勧めですが、今回のタボールはトップレイルも短いタイプなので、装着出来る光学サイトの種類も限定されます。
トリガーにはトリガーガードが無く、代わりにグリップガードになっているのも、タボールの独特な特徴の一つですが、なんか殺風景な感じです。
グリップは、指の短い私には微妙に太い印象です。
セレクターも使い易い位置にありますが、セミオートでセレクターレバーが縦位置になると、指と干渉してやや邪魔です。
グリップ右側にはセレクターのインジケーターがあり、ライブ作動します。
バッテリー収納スペースはハンドガード内にあって、ロック解除ボタンを押しながらハンドガードを前方にスライドさせると、広大なバッテリー・スペースが現れます。
バッテリースペースは、ミニS-ニッケル水素バッテリーも余裕で収納出来る位広いです。
コネクタは、一般的なミニタイプ。
マガジン・リリースレバーは左右何方からでもアクセス出来る位置にありますが、容易過ぎて意図せずレバーを押してしまいそう。
附属のマガジンはお馴染みの、M4系・スチール製ゼンマイ給弾式多弾数マガジンで、装弾数は300発。
でもまあ、今時はポリマー製マガジン全盛ですから各メーカーのM4系スタンダードマガジンを装着してみました。
お手軽価格帯メーカーのマガジンは、概ね無加工でも問題無く使用出来そうです。
中には、マガジン・キャッチがギリギリ引っ掛かる渋めも物もありますが。
チャージングハンドルを引くと、エジェクションポートのダミーボルト・カバーが半分ほど開きホールドオープンするので、中に見えるホップアップ調整ダイアルを回してホップ調整が出来ます。
ダミーボルトカバーを閉じる時は、ボルトリリース・ボタンを押します。
説明書を見ると、このボタンはスプリング・リリースボタンとも書かれています。
試しに射撃後にボタンを押してみると、確かにジリリリッとギアが戻る音がします。
まさか、このタボールは今流行りのプリコッキング機能搭載なのか!?
ん~冷静に考えれば、プリコッキングと言うよりは、ギアを正確に止められずにオーバーランして、バネを少し引いた状態で止まってしまう事が多発するので、バネのヘタリ防止にリリース機能が
付けられたって所らへんと思うのですが?(いや、完全な想像ですけど)
そうだとしても、結果的にはプリコッキングと同じ仕組みなので、威張れるかも。
説明書には何故スプリング・リリース機能が備わっているのか理由は書かれていないので、謎のままです。
また、このS&Tタボール プロバージョンには電動ブローバックが備わっているので、射撃時に連動してダミーボルトカバーがピョコピョコ動きます。
コンパクトで近接戦闘では使い易そうですが、銃を構える時に後部が重たい感覚は、慣れが必要です。
また機関部がストック内にあるため、射撃時に耳との距離が近く、少し煩く感じるかも。
特に電動ブローバックでのダミーボルトカバーの作動音が、かなり賑やかです。
ダミーボルトカバーをホールドオープンにし、作動をキャンセルして撃ってみると、何時も聞いてるS&T製電動ガンの作動音になり、それが凄く静かに感じるほど。
射撃時にダミーボルトカバーが連動して動く電動ガンの中でも、賑やかさではトップクラスです。
射撃時のフィーリングは、トリガーストロークがやたら長くて、セミオート射撃での素早い連射では折角のプリコッキング気味的?作動が生かされず、人差し指を筋トレしている様です。
フルオート時の連射サイクルは、ニッケル水素バッテリー使用時で13~14発と一般的なレベルなので、フルオートでバーストショット的に撃つのがスマートかも。
弾の飛びは、ホップ調整時にもなかなかしっかりホップが掛かってくれない感じでしたが、集弾性は抜群に良くて安定していました。
これだけ弾が纏まるなら、高倍率スコープを装着しての運用も面白そう。
実銃譲りの、オールラウンダーなS&Tタボール21でした。
距離 12m 半径2cm刻みの円(横幅A4サイズ)
0.25gBB弾 セミオート10発
S&T タボール PRO | 17.9℃ 42% |
0.20gBB弾 平均初速 | 83.8m/s |
1発目 | 83.8m/s |
2発目 | 83.6m/s |
3発目 | 84.0m/s |
4発目 | 83.7m/s |
5発目 | 83.7m/s |
S&T タボール PRO | 19.9℃ 42% |
0.25gBB弾 平均初速 | 76.9m/s |
1発目 | 77.0m/s |
2発目 | 76.6m/s |
3発目 | 76.7m/s |
4発目 | 77.2m/s |
5発目 | 76.9m/s |
0.20g、0.25gBB弾の初速は、それぞれでの適正ホップ時の数値です。