塹壕戦が戦いの中心だった第一次世界大戦において、狭い空間で大量に弾が発射できる近接戦闘用に、SMG(サブマシンガン)が開発されました。
第二次世界大戦でも、構造が単純で安価なうえに扱い易く、フルオートによる弾幕が張り易いと言う事でSMGは大量に生産されました。
それまでのSMGは、拳銃用の弾を使うのでアサルトライフル等に比べると威力が弱く、市街戦には適している半面、命中精度はとても悪い物でしたが、1960年代に入ってアサルトライフルと同じ様なクローズドボルト発射式の高精度なSMGが開発されると、特殊部隊等が近接戦闘用に採用するようになりました。
1977年のルフトハンザ航空ハイジャック事件で、GSG-9(ドイツ連邦警察対テロ特殊部隊)が使用して一躍有名になったH&K MP5が代表格ですね。
1990年代になるとボディアーマーの普及が進み、SMGの威力不足と言う問題が顕著になってきました。
そこで開発されたのが、威力的にはアサルトライフルとSMGの中間に位置する、PDW(パーソナル・デフェンス・ウエポン)と言う新しいジャンルの銃器で、貫通性能の優れた専用弾を使用するH&K MP7やFN P90等が競り合う様に作られました。
ただ専用弾を使うと言う特徴が逆にネックとなって、思った程は普及していません。
現在では、即在のアサルトライフルを短くしたコンパクトカービンなどもPDWカテゴリーとして製品化される様になってきました。
セミ・バースト・フルオート電動ガン
可変ホップアップシステム
全長 600mm
重量 2,250g
装弾数 300発(ゼンマイ給弾式多弾)
価格 51,480円 (税込)
この銃の特徴 |
---|
〇ナイロン強化樹脂製レシーバーは剛性感があり、質感も上級 |
〇新型ストックはバッテリー対応サイズも使い勝手も向上 |
〇軽量コンパクトな電子トリガー電動ガンで、CQBサバゲー向き |
G&G ARP556 2.0 と聞けば、メタルレシーバーでハイサイクルの尖った電動ガン!ARP556の後継機か?と誰しもが思われる所ですが、どうも違っている様です。
ARP556は「GC INTERMEDIATE」シリーズでメタルレシーバー、11.1Vリポバッテリー対応のハイサイクル仕様電動ガンですが、ARP556 2.0はスタンダードな「CM COMBAT MACHINE」シリーズで強化樹脂製レシーバー、推奨バッテリーは7.4Vリポバッテリーになり、軽量コンパクト好みのサバゲーユーザー向けモデルにリニューアルされました。
近々リニューアルされる、ARP 9の後継機と足並みを揃える形になりますね。
外観は名前からして、実銃の5.56mm弾を使用するAR-15をベースにした、オリジナリル・デザインの電動ガンです。
個人的には、ダニエルディフェンス社製のDDM4 PDW SBRに雰囲気が似てるなあ~と思ってます。まあこちらの使用弾は、7.62mm 300ブラックアウト弾ですけど。
レシーバー表面には、細かいシボ加工が施されていて高級感があります。
金属っぽいリアリティは無いですが、強化樹脂製レシーバーとしての質感は高く、いわゆるスポーツラインとかチャレンジャーラインと呼ばれるクラスの樹脂製レシーバー等と比較すると、安っぽさは無くて格の違いを感じます。
ARP556 2.0はG&Gオリジナルデザイン・モデルなので、刻印はシリーズ名の「COMBAT MACHINE」がでかでかと書かれています。
セレクターは片側のみで、ピクトグラムの刻印が入っています。
ストック収納時は、ワイヤーがセレクターの近くを通るので、セレクターの操作がやり難くなります。
ハンドガードは7インチのアルミ削り出しで、レシーバー部と質感を合わせるためか、こちらもザラザラした高級感のある表面仕上げです。
ハンドガード左右と底部はM-LOK対応の孔が設けられ、QDスイベルタイプのスリングが直接取り付けられる、QDスリングホールも開けられています。
ハンドガード下部には、これ以上手が前に行かない様にハンドストップが装着されています。
樹脂製フラッシュハイダーは、ブラスト・ディフューザータイプとでも言いましょうか、全て前方に吐き出す筒状で、独特の発射音を醸し出します。
フラッシュハイダーは、イモネジ等のロックは無いので、そのまま回して取り外します。
フラッシュハイダーを外すと、14mm逆ネジ仕様になっているので対応のサプレッサー等が装着出来ますが、装着時は少しハンドガード内側に入り込むので径の大きいサイズの物は装着出来ません。
写真は、マルイ製ナイツタイプ・プロサイレンサーを装着しています。
ナイツタイプのフロント・リアサイトは共にフリップアップ式で、フロントサイトはダイアルを回して上下の調整が出来ます。
リアサイトは、それぞれのダイアルを回す事で上下左右の調整が出来るフルアジャスタブル・タイプです。
マガジン・リリースボタンはアンビ(左右両側装備)タイプで、ボタンの位置も操作し易く使い勝手が良いです。
トリガーはストレート・タイプで、トリガーガードもトリガーガード内を広くするタイプで、カスタム感が強いです。
ARP566は電子トリガーが搭載されていて、フルオート射撃を3ショットバーストに変更することが出来ます。
方法は簡単で、セレクターをセミオート位置にして10秒間ほどトリガーを引き続けます。
すると電子音がピーっと鳴って設定完了で、セレクターをフルオート位置にして撃つと、3ショットバーストになります。
元に戻す時は、同じ操作を繰り返します。
ワイヤーストックは新型の「GOS-V9」と呼ばれる物で、ストックチューブ(ブァッファーチューブ)はかなり太いタイプになっています。
レシーバーエンドには金属製のスリングマウントが装備されています。
ストックは、伸ばすか縮めるかの2ポジションで、伸ばす時にはリリースボタン①を、縮める時には②のボタンを押しロックを解除して行います。
ストックを外す時は、まずストックを縮めた状態にしてからリリースボタン②のロックレバーを90度時計回りに回します。
するとリリースボタン②のユニットがガバッと開きますので、後はストックを後方に引き抜きます。
ストックのワイヤーには孔が5箇所開けられていて、六角ネジを取り付ける位置で、ストックを伸ばした時のストック長を調節する事が出来ます。
デホルトでは中央の孔に設定されているので、六角レンチで好みの位置に付け替えます。
一番長い位置にすると、M4のクレーンタイプ・ストックと同じ位の長さになるので、ワイヤーストックと言えど窮屈感は一切ありません。
しかも一番長い状態でも、ストックのガタツキは微塵も無くてしっかり肩付け出来るのは素晴らしい。
ストックを外しストックチューブのフタを取ると、かなり広めのバッテリースペースがあります。
バッテリーは回路保護のため、7.4V20C以下のリポバッテリーが推奨されています。
装弾数300発のゼンマイ給弾式マガジンは、ラバーが巻かれているオリジナルデザインで、マガジン前面の凹凸が指にフィットして、マガジンハウジングと一緒に引き付ける様に保持した時は構え易いです。
アンビタイプのチャージングハンドルを引くと、ダミーのボルトカバーが開き同軸ドラム・ホップアップ調整ダイアルが見えます。
軽量コンパクトで取り回しが良い樹脂レシーバーですが、剛性感はあるしストックは長くて使い易いし、短い銃身でマズル付近に手が行かない様にハンドストップまで装備されているしで、流石G&Gと言ったところでしょうか。
「いけいけどんどん」のARP556そのままの後継機か?と期待されていた方は残念ですが、より万人が使い易い近接戦用サバゲー向けモデルになりましたね。(ARP556も続いて販売されています)
ARP556と同じくETU(エレクトロニック・トリガーユニット)とMOSFETを搭載していて、トリガースイッチの焼き付きや、セミオート連射時に起こり易いセミロックを防いでくれますし、バーストショットも楽しめます。
実射性能も優等生で、集弾性も良いです。
個人的に気になるのは独特の発射音とバネ鳴りで、パコンパコンと派手な発射音は好き嫌いがはっきりしそうです。
敵を威嚇するには良いかも知れませんがね。
フラッシュハイダーをサプレッサーに交換して撃てば音質が多少マイルドになりますが、今度はバネ鳴りのバインって音が目立ってしまって、折角の高級感に水を差す感じです。
7.4Vリポバッテリー使用でのフルオート発射サイクルも11発~12発と若干遅くて、全体的な作動も平凡な撃ち心地です。
それでも高い質感と使い勝手の良さは、特筆に値するほどのサバゲー御用達コンパクトモデルです。
距離 12m 半径2cm刻みの円 0.25gBB弾
セミオート10発
G&G ARP556 2.0 | 27.1℃ 48% |
0.20gBB弾 平均初速 | 80.2m/s |
1発目 | 79.6m/s |
2発目 | 80.1m/s |
3発目 | 80.6m/s |
4発目 | 80.1m/s |
5発目 | 80.7m/s |
G&G ARP 556 2.0 | 27.1℃ 48% |
0.25gBB弾 平均初速 | 72.3m/s |
1発目 | 72.2m/s |
2発目 | 72.4m/s |
3発目 | 72.0m/s |
4発目 | 72.5m/s |
5発目 | 72.6m/s |
0.20gBB弾の初速は、0.25gBB弾での適正ホップ時の数値です。
フルオート時の発射サイクルは、秒間11~12発。