
第二次世界大戦でアメリカ軍の主力歩兵銃だったM1ガーランドの、重くて装弾数が少なくスコープ等が容易に装着出来ない等の欠点を改善するために、スプリングフィールド造兵廠で開発され
1957年にアメリカ軍に制式採用されたのがM14です。
しかし1964年に、アメリカ軍のベトナム戦争への本格介入が始まると、ジャングルでの近接戦闘では大きくて重いM14では取り回しが悪く、さらに7.62×51mm弾では反動が強くてフルオート時のコントロールが難しい上に、長い有効射程距離を活かす事が出来ないと言う問題が発生していました。
そのため当時開発中だったAR15を急遽M16として制式採用し、M14と入れ替えていきました。
M16は小口径高速弾を使用しフルオート時のコントロールが容易で、軽量コンパクトなため近接戦闘に優れていて、ジャングル戦ではとても有用でした。
その後アメリカ軍の軍事行動が中近東に移り、敵との交戦距離が延びると再びM14の長射程精度が注目され、元々は海軍特殊部隊の要請で開発が始まった近代改修型M14EBR(Enhanced Battle Rifle)は、まず2004年にNavy SEALsに配備された後にマークスマンライフルとして各軍で運用されていきました。
各軍でそれぞれの仕様があり、海軍ではMk14 Mod.0,1,2。陸軍はM14 EBR-RI、海兵隊ではM39EMRという制式名で採用されています。
で!個人的にM14EBRと言えば2010年に公開されたCGアニメ映画「Cat Shit One」でしょう。
主人公の相棒ボタスキーが狙撃銃として使ってました。
スコープにドットサイト、レーザーサイトとフラッシュライト、サプレッサーにバイボットまで装着して、てんこ盛り状態。
主人公のバッキーに「そんなにゴテゴテ付けてるから疲れるんだ、外しちまえよ!」と咎められるシーンもありました。
スコープのレンズ前面にはキルフラッシュも付けられていて、拘りのアニメでしたねえ。

セミ・フルオート電動ガン
可変ホップアップシステム
全長 950mm(伸長時1040mm)
重量 4,200g
装弾数 400発(ゼンマイ給弾式)
価格 57,200円 (税込)
この銃の特徴 |
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〇フルメタルの重量感とリアル刻印で実銃の雰囲気を満喫 |
〇初速や集弾性も優秀 |
〇実売価格では、コストパフォーマンスも良い |


CYMAからは、実銃でもお馴染みな特徴のあるワイヤーストック仕様のM14 EBR Mod.0も発売されていますが、こちらはM4と同じタイプのストックが装備されたM14 EBR Mod.1です。
細かい事を言えば、Mod.0とかMod.1とかは海軍用語なので、この銃はMk14 Mod.1だと思うのですが・・・。 まあ良いですけど。
(CYMAさんでの製品名はCM032EBRで、販売店での製品名がM14EBR)
CYMA製EBRは、フルメタル仕様なので重量が4.2kgもありずっしりと重たいです。

メタル製のレシーバーは、細かく見れば表面が荒れてる部分も少しありますが、概ね質感は良くて塗装も綺麗な仕上がりです。まあ塗膜の強さは期待出来ませんが・・・。
リアル刻印も良い雰囲気です。
特にレシーバー右サイドのSAGE INTERNATIONAL社の刻印は、一字一句の違いも無く書体までリアルに再現されています。

ハンドガード部分には、4面にマウントレイルが装備されていて全てのレイルにガイドナンバーが書き込まれています。
トップレイルは、アイアンサイトでの照準時に邪魔にならない様に中央が窪んだ形状になっています。
ハンドガード左側面には、ガッシリとしたスリングマウントも装備されていますね。
ハンドガードの手を添える部分のパットは、ネットでよく目にするのは左右が底部で繋がっている1枚物のタイプなんですが、CYMA製EBRは左右分割でアンダーレイルが通っているタイプです。
最初はデフォルメされているのかと思いましたが、ネットでEBRを検索していると確かに分割タイプも有ることが分かりました・・・が、どういった仕様なのかまでは分かりませんでした。

アウターバレル先端に取り付けられたフラッシュハイダーは、実銃M14EBRの開発にも携わったスミス・エンタープライズ社のボルテックス・タイプを忠実に再現しています。
イモネジを緩めてフラッシュハイダーを外せば、14mm逆ネジ仕様対応のアクセサリーパーツが装着出来ます。
写真はお馴染みのマルイ製ショートタイプ・プロサイレンサーを装着しています。

リアサイトは上下左右の調整が出来る、フルアジャスタブル・タイプのビープホール・リアサイトです。
右側のダイアルを回すと、リアサイト全体が動いて左右の調整が出来ます。
左側のダイアルを回すと、ビープホール部分がニョキニョキと伸びて来て上下の調整が出来ますが、目盛りが無いのでちょっと不便ですね。

ホップアップの調節ダイアルは、エジェクション・ポート内に無いので、チャージングハンドル操作によるダミーのボルトカバー作動は全くのギミックなのですが、チャージングハンドルを一杯に引いて放すと、閉鎖時の金属パーツの作動音がシャチーンと心地よい音を響かせてくれます。
ボルトストップも手動ながら作動させる事が出来、ホールドオープンにする事も出来ます。
まあ、エジェクション・ポート内は見た目全然リアルではないので、開けっ放しにしても面白くないですが。

では、ホップアップ調整ダイアルは何処に有るかと言うと、マガジン挿入口の前側の奥の方に剝き出しで有ります。
この隙間には、素手なら指が入るので簡単にダイアルを回す事が出来るので、直ぐにホップアップの調節をする事が出来ます。

リアサイトの前側には短いマウントレイルが装備されているので、スコープ等をハンドガードのトップレイルとブリッジして装着する事が出来ます。
ただ装着には、ハンドガード側のトップレイルとの兼ね合いもあるので、取り付け精度や強度が気になるところですが、スコープを装着しての狙点修正(ゼロイン)や使用感は全く問題ありませんでした。
ただドットサイト等は、レイルが短すぎて装着出来なかったので、延長用レイルを装着するかハンドガードのトップレイルに取り付けるしかないですね。

セミオートとフルオートの切り替えは、セレクターを半回転ほど回して行いますが、どっちがセミオートだったか忘れちゃうんですよねえ。
セイフティ・レバーはトリガーガード内にある時がセイフティ状態で、解除する時はトリガーを引く指でチョン!と前方に押し出してやるだけなので、操作は簡単便利です。

付属のスチール製マガジンは、装弾数400発のゼンマイ給弾式多弾数マガジン。
通常の、マガジン底部のギザギザ歯車でゼンマイを巻く方法に加えて、付属のゼンマイ回しを使って巻き上げる事も出来ます。これはフラッシュ・マガジンのワイヤー式より簡単便利で、素早く巻けます。
まあ、ゼンマイ回しの差し込み用の穴は開いてますが・・・
マガジンの装着は、AK系の様にまずマガジン前側を引っ掛けてから全体を装着します。
ここでちょっと、実際装弾数が400発もあるのか気になったので、マルイ製0.20gBB弾をマガジンに入るだけ装てんした後、全て取り出して重さを量ってみると、重さは85gでした。
マルイさんを信じて0.2で割ると425で、ゼンマイ給弾式特有の弾残りを引けば、確かに装弾数は400発位でした。
完全にゼンマイを巻き上げてフルオートで撃ってみると、大体300発程度で給弾出来なくなりましたので、ゼンマイの性能的には一般的な物と同じ位ですね。
なので400発全弾撃ち尽くには、もう一回ゼンマイを巻く必要があります。

グリップはタンゴダウン・タイプで、細身で握り心地がとても良いのですが、聞くところによるとグリップだけで銃を支えていると、銃の重さに耐えかねてグリップの付け根がもげるそうなので注意してください。(実際どうなのかは分かりませんが)

ストックは7ポジションのクレーンタイプのリトラクタブル・ストックで、バットプレートを外してストックチューブにスティックタイプ、もしくはストックチューブ両脇にセパレートタイプのバッテリーを装着します。
コネクタは一般的なミニタイプですね。
8.4Vのニッケル水素バッテリーか7.4Vのリポバッテリーを使用します。
とにかく重い。フルメタル仕様なので剛性感はピカイチで、とても良いのですがね。
光学機器等のアクセサリーパーツを装着すると、さらに重くなってくる。
正に苦行です。
内部の電気関係やトリガー系は、特に目新しい装備は無いので、射撃フィーリングは普通です。
射撃音もCYMA製電動ガンらしい、バシャン・バシャンといった落ち着いた感じの作動音です。
フルオート時の発射サイクルは毎秒10発程度と遅いのですが、セミオート時のフィーリングはそんなにもっさりした感じはしませんね。
弾の飛びは、初速があるので良く飛ぶし安定感があります。
ホップアップの調節加減で、後半少し弾道が曲がり易いですが弱ホップで結構治まります。
集弾性は、素晴らしいの一言。
距離12mの集弾性も良いですね。
これだけ纏れば、スコープを装着しての射撃が楽しくてしょうがないです。
長くて重い銃が大好きな、屈強な肉体を持つ若者よ。
おじさんに代わって、このEBRを振り回してくれ~!

距離 12m 半径2cm刻みの円 0.25gBB弾
セミオート10発
CYMA M14EBR | 28.5℃ 55% |
0.20gBB弾 平均初速 | 90.6m/s |
1発目 | 90.9m/s |
2発目 | 90.3m/s |
3発目 | 90.5m/s |
4発目 | 90.8m/s |
5発目 | 90.7m/s |
CYMA M14EBR | 28.5℃ 55% |
0.25gBB弾 平均初速 | 78.8m/s |
1発目 | 79.0m/s |
2発目 | 79.1m/s |
3発目 | 79.0m/s |
4発目 | 78.3m/s |
5発目 | 78.8m/s |
0.20gBB弾の初速は、0.25gBB弾での適正ホップ時の数値です。

フルオートでの発射サイクルは、毎秒10.7発でした。(7.4Vリポバッテリー)