1968年に閉鎖されたスプリングフィールド造兵廠(アメリカ・マサチューセッツ州にある国営施設)の「スプリングフィールド」と言うブランド名だけを買い取り、1974年に民間企業として新たに設立されたのがスプリングフィールド・アーモリー社です。
スプリングフィールド・アーモリー社は、クロアチアのHS-Produkt社が開発したポリマーフレームオート「HS2000」のアメリカでの販売権を買い取り、2002年に「XD」と言う名で販売しヒットさせました。
そしてそのXDを、スプリングフィールド・アーモリー社自身がアメリカ人好みに大幅な改良を施してリファインして、2009年に発表されたのがXDMです。
実銃HS2000 (ウィキペディア パブリックドメイン)
ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 203mm
重量 745g
装弾数 26発
価格 16,800円 (税別)
この銃の特徴 |
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〇直径15mm大口径ピストンによる力強いブローバック |
〇コッキング・インジケーターやバックストラップ等操作系の忠実な再現性 |
〇マルイ製ならではの実射性能の高さ |
巨大マーケットであるアメリカでは人気らしい実銃XDMですが、日本に於いてはマイナーな銃ですよね?(少なくとも私的には)
実銃では9mmパラベラム弾、40S&W弾(10mm口径)、45ACP弾の3タイプが有りますが、マルイさんがモデルアップしたのは40S&W弾仕様です。
見た目には、45ACP弾仕様もある位ですから体格は良く、グロック17よりひと回り肉付きがあってガッシリしたイメージです。
外観は、スライドのツルンとした質感とフレームの細かいシボ加工が、ポリマーフレームオートの雰囲気を上手く表現していますね。
スライドの、掘りの幅が広いセレイション(滑り止め溝)も今時で良いです。
刻印類は、しっかり再現されていますが、さすがにスプリングフィールドの社名は大人の事情で書けませんので、スライド部分の社名は無しでグリップ部分はマルイ仕様の刻印になってます。
スライド左側の[4.5]は、XDMでの基本モデルである4.5インチバレル仕様を示しています。
フロント・サイトとノバックタイプ・リアサイトは共に金属製でホワイトドットが綺麗に入れられています。
どちらのサイトも背面に、乱反射防止のセレイションが施されていてとても視認性が良いです。
実銃のスライド上面には、スプリングフィールド・アーモリー社のマークが刻印されているのですが、エアガンでは再現されていません。
チャンバー後部には、ダミーのローディング・インジケーターが金属製の別パーツで再現されていて、何だかリアル。
10mm口径のマズルにはライフリングが再現され、その奥には真鍮製のインナーバレルが見えます。
フレームのダストカバー部分には、やや短いながらピカティニー規格のアンダーマウントレイルが装備されています。
またマルイ製グロック17と同じ様に、アンダーマウントレイルにあるシリアルプレートが、エアガン独自のマニアルセイフティになっていて、プレートを後方にスライドさせるとトリガーがロックされて撃つ事が出来なくなります。
トリガーガードは、前面が反りかえっていて滑り止めのパターンも入っているので、両手で構える時に添える手の指がしっかり固定出来て、構え易いです。
トリガーはグロックと同じ様なトリガーセイフティが装備されていて、トリガーの幅はグロック17と同じ位ですが、滑り止めのセレイションが施されています。
マガジンリリースボタンはアンビ(両側装備)゚タイプなので、左右どちらからでもアクセス出来ますが、やや操作感が固くてボタン自体もグリップ部分に囲まれているデザインなので、誤操作は防げる代わりに、特にグローブを装着していると押し難く感じます。
マガジンは、実銃のステンレス製マガジンを再現したピカピカメッキの亜鉛ダイカスト製。
装弾数は26発で、マガジンフォロアーのスリットが少し広くなっている部分からBB弾を装てんします。
ガスタンクの容量は19gで、大体100発ほど撃てるので燃費は、0.19g/1発位になります。
スライド後端には、実銃と同様にコッキング・インジケーターが装備されていて、内臓ハンマーがコッキングされるとインジケーターが少し飛び出すので、目視か指で触ってハンマーの状態を確認する事が出来ます。
XDMには、グリップ・セイフティも装備されていますが、ガバメントのグリップ・セイフティと比べると小振りで色気が無く、可愛らしい形状です。
まあ、実用的にはバネも軽くて、よほど特異な握り方でなければ別段意識することなく、自然に使えます。
バックストラップは交換が可能で、付属の治具でバックストラップの固定ピンを押し出して抜きます。ハンマー等で叩かないと外れないかと思いましたが、手の力で押し出せましたね。少し緩いのか?
ピンを外すとバックストラップは、パカッと外れます。
最初はMサイズのバックストラップが装着されているので、付属のSサイズかLサイズに交換出来ます。
やや微妙なサイズ違いですが、私は指が短い人なのでSサイズに交換してみると、確かに握り易くなりました。
元々グロック17より握り易い形状のグリップだなぁと思っていましたが、より手にしっくり馴染む感じです。
ホップの調整はフレームからスライドを外して行います。
まずマガジンを外してから、スライドを一杯に引きます。
次にテイクダウン・レバーを時計回りに90度回します。するとスライドが前方に抜けます。
スライドのチャンバー下部に、ホップアップ調整ダイアルが有ります。
ダイアルは小さくて回し難いですが、そんなにゴリゴリと回すものでも無いですしね。
そのまま通常分解すれば、こんな感じ。
スライドのメインスプリングが強いせいか、特にスライドの引き始めが重く感じます。
しかし、このスプリングの強さと直径15mm大口径ピストンのブローバック・エンジンが、マルイ製ブローバックハンドガンの中でも最大級のリコイルショックとブローバックスピードを生み出しています。
通常、フルサイズのオートマチックほどブローバックはモッサリした感じになるのですが、XDMは全く違います。
同じマルイ製のハイキャパD.O.Rと撃ち比べてみましたが、XDMの方が力強くてキビキビとしたブローバックでした。
集弾性の良さや、連射時の初速の落ち込み方等もハイキャパと同レベルの性能で、グリップも握り易くてブローバック・ガスガンとしては優等生と言えます。
しかし今の季節(10月中旬)では既に、連射すると途端にブローバックは弱々しくなってしまうので、やっぱり寒さには勝てません。
優秀なオートマチックなのに日本でマイナーなのは、妖艶な雰囲気が足りないから・・・なのか・・な?
距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 10発
マルイXDM.40 | 23.4℃ 52% |
0.20gBB弾 平均初速 | 69.4m/s |
1発目 | 69.1m/s |
2発目 | 69.4m/s |
3発目 | 69.6m/s |
4発目 | 69.6m/s |
5発目 | 69.1m/s |
0.5秒間隔で26発射撃した時の初速の落ち込みをハイキャパD.O.Rと比べてみました。