アメリカの大手サイレンサー・メーカーのAAC(Advanced Armament Corporation)がヘッケラー&コック社 MP5SDの後継を狙って、2011年に開発したのが元祖「ハニーバジャー」です。
ハニーバジャーとは、イタチ科の雑食哺乳類 ラーテル(日本名ミツアナグマ)の英名で蜂蜜や蜂の幼虫を好んで食べる事に由来しています。
世界一怖いもの知らずの動物としてギネスブックに登録されているほど気性は荒く、柔軟かつ頑丈な皮膚を持ち、コブラ等の神経毒にたいして耐性をもっていて、何でも襲って食べようとする貪欲なやつなのです。
そんな勇ましい名前を付けられたハニーバジャーは、短く抑えられたバレルと大きなサイレンサーの一部分又は大部分をハンドガードに包まれ、リトラクタブル・ストックを装備するPDW(Personal Defence Weapon=個人防衛火器)で、グループ会社のレミントン社と共同で開発した「.300ブラックアウト弾」(7.62×35mm)を使用します。
.300ブラックアウト弾は、AK-47が使う7.62×35mm弾とSR系の5.56×45mm弾を足して2で割った様な弾で、弾頭はAKと同じ7.62mmで薬莢下部分は5.56mmと同じ形状になっています。
5.56mmより威力が高いけどSR系と同じサイズで、違和感なく操作出来る銃作れる汎用性を持っています。
サイレンサー装着時に消音効果が高くなる亜音速弾なので、サイレンサーを標準装着するハニーバジャーには、まさにピッタリな弾ですね。
新しいPDWとして関心が寄せられたハニーバジャーでしたが、AACの親会社フリーダムグループの経営方針によって、ハニーバジャーの開発プロジェクトは凍結されAACの創設者でハニーバジャーの設計者でもあるケヴィン・ブリティンガムは解雇されました。
ブリティンガムは2016年に、新しく「Q LLC」を立ち上げ、新生ハニーバジャーを開発、発表しています。
AACの元祖ハニーバジャーは、プロジェクトは再開されたものの、頓挫している間にSIG SAUERからハニーバジャーと同じ様なコンセプトで、性能面でより優れているMCXが開発され、苦戦を強いられています。
DE-Airsoft Double Eagle Q Honey Badger
FCU、Falcon DFCS 2.0(Digital Firing Control System)搭載電動ガン
可変ホップアップシステム
全長 610mm(伸長時705mm)
重量 2150g
装弾数 120発
価格 28,000円 (税別)
さて、今回はDouble Eagle製 「Q CLL 新生ハニーバジャー」なんですがこのダブルイーグルって、このサイトでもレビューしてる通りコッキングタイプのエアガンなどは縁日の露店で、白い発泡スチロールのケースに入ってて~透明なフィルムが張ってあって~ケースの中の銃が見える様に陳列してるやつ。
そんなイメージしか無いのですが、今回のハニーバジャーは今時の真面な電動ガンっぽいです。
簡易版ですがガンケースに入ってましたし。
まさか全く別の会社って事は無いと思いますが。
ダブルイーグル社のマークも変わってるし、経営者が変わったのかな?
露店クオリティは存続するのか、気になる所です。
で、外観ですがレシーバー周りは雰囲気的に良く再現されていると思います。
材質ですが、レシーバーは樹脂製でハンドガードはアルミ製になります。
僅かにザラザラしたレシーバー樹脂部分はプラスチック然とした感じも無く、アルミ製ハンドガードとの相性も良くて、質感は良いですね。剛性感もあります。
刻印類は、セレクター部分以外は全てプリントなのが残念です。
使ってるうちに剝げてくるのは悲しいですから。
特に「Q」の文字は大きくて目立つので刻印がよかったなあ。
あと、実銃のセレクター表示は文字ではなくピクトグラムなんですが まあ細かい事を言えば、切りがないのでね。
セレクターはアンビ(両側)タイプなのですが、銃左側に比べると右側のセレクターが少し小ぶりなサイズなので、やや操作し難さがあります。
マガジンハウジングとマガジンのクリアランスは、やや緩い方なのでマガジンキャッチ・リリースボタンを押すと、マガジンは自然落下してきます。
ハンドガードも再現性は高いですが、バレル共に実銃より少し延長されています。
スリムなハンドガードは8角形で、上面はレシーバーから連なるトップレイルが伸びていて、その他の面にはM-LOK規格の孔が開けられています。
M-LOKの「M」のマークは実銃だとハンドガード底面にありますが、サイドにある方がカッコイイですよね。
トップレイル先端には、樹脂製フリップアップ式のフロントサイトが装備されています。
ドットサイト等を装着した時は、取り外さなくても折りたためば良いので便利です。
まあ、スッキリしたい場合は取り外せばいいですけど。
マズル先端のフラッシュハイダーは、側面の孔の列が実銃より少ないですが実銃の物とそっくりです。
実銃では、このフラッシュハイダーに被せる様に専用のサイレンサーを装着する事が出来ます。
フラッシュハイダーの根元の筋はサイレンサー装着用のねじ切りでした。
ダブルイーグル製はネジになってるか微妙。
そもそも、そんなサイレンサーは売ってないですし。
フラッシュハイダーはイモネジで固定されていたので、ネジを緩めて外そうとしましたが、これが固くてびくともしないので諦めちゃいました。
フラッシュハイダーを外せば14mm逆ネジなので、手持ちのサイレンサーが装着出来たのですが。
気合いが足りなかったか・・・・・。
気を取り直して、M-LOK対応マグウェルグリップを装着してみました。
本当はもっとマグウェルにくっつけて装着するのですが、ハンドガード底面の一番根本の孔は使用できない(実銃と同じ仕様)ので、少し離れてしまいました。
それでもコンパクトタイプのライフルなら、マグウェルグリップはフォアグリップより断然銃を構えた時のフィーリングが良いです。
因みにM-LOKとはModular Lockの略で、銃器メーカーのマグプル社が2014年に開発したアタッチメントシステムです。
スロット(孔)の規格は7mm×32mmで、スロットの間隔も決められているので複数のスロットをまたがった装着も出来ます。
アタッチメントの装着も簡単で、ナットが取り付けられたアタッチメントを表側から差し込んで装着し、ナットを締め付ける様に90度回せば内側でスロットとナットが嚙み合ってアタッチメントが固定されます。
ダブルイーグル製ハニーバジャーは、ハンドガードが樹脂製の、いわゆるスポーツラインモデルも発売されていて、アルミタイプより100g軽くて価格は2,000円位安いかな?
なので、より軽さを求めてる方は樹脂ハンドガードモデルを、M-LOKを多用するため堅牢さが必要な方はアルミハンドガードモデルが良いでしょう。
(樹脂製ハンドガードは真横と底面の列のみがM-LOK規格の孔で、斜めの列の孔では、M-LOK対応アタッチメントを固定出来ません)
チャージングハンドルも雰囲気的には実銃の物に似ていますがデフォルメされています。
リアサイトはフリップアップ式が装着されています。
フロントサイトは上下(エレベーション)の調整が、リアサイトは左右(ウインテージ)の調整ができます。
どちらのダイヤルもクリック感があって使い易いです。
リアサイトはビープホールタイプ(孔を覗いてフロントサイトと標的を重ねる)で大きい孔の近接戦闘用と小さい孔の精密射撃用を、シーソーの様に倒して切り換えます。
でもまあ、今時ですからドットサイトとか付けちゃいますよねえ。
チャージングハンドルを引くとダミーボルトが必要最低限後退して、ホップアップ調整ダイヤルが出てきます。
ダイヤルを上下に回転させて調整しますが、ダイヤルは丁度良い固さで回し易いです。
ストック部分も実銃より少し長めに作られています。
ストック両サイドのリリースボタンを押し込むと、バットプレート部分が少し飛び出すので、そのまま引き出せばストックアームが伸びます。
ストックは3ポジションですね。
バットプレート部分は孔が開いてて下が割れてる奇妙な形をしていますが、これは実銃のアームブレース(正式名はスタビライジングブレース)を模したためこの様な形になってます。
アームブレースは柔らかいプラスチック製で、銃のグリップを握っている腕に挟み込んで、さらにその上からベルトを巻きつけて腕とアームブレースを固定します。
(ダブルイーグル製ハニーバジャーでは、素材が固く腕は挟めません)
実銃のアームブレースを使った射撃シーンが4分30秒~からあります。
なぜ実銃はストックではなくアームブレースを装着しているかと言うと、アメリカではライフルと呼ばれる物は銃身が16インチ以上なければいけません。
16インチ以下の物は「SBR(ショートバレルライフル)」に分類され規制が厳しくなり民間人が所持するための審査は、大変な手間暇がかかります。
これでは銃器メーカーとしては商売あがったりなので、規制を回避するために考えたのがSBRではなく、比較的簡単に所持出来るピストル扱いにしてしまえ!と言う事。
ピストル扱いにするには、ストックやフォアグリップが有ってはいけません。
なのでストックではなく、腕で保持するための道具としてアームブレースが装着されていると言う訳です。
実銃ハニーバジャーもSBR用ストックタイプとアームブレースタイプがあります。
しかしアームブレースは実質ストックとしても使えてしまうので、初めて発売されてから物議を醸し、取り締まるATF(アルコール、タバコ、火器爆発物取締局)の見解もころころ変わってきましたが、どうやらアームブレースを取り付けたハニーバジャーでも、SBR扱いになった様です。
今更規制対象にされても、既に所持してる民間の方々はいい迷惑ですな。
ストックのバッテリー収納スペースは幅が狭いので、小型な物が必要になります。
接続はT型コネクターですが、一般的なミニコネクター用変換アダプターも付属しています。
ただ収納スペース内にストックアームも通るので、バッテリーを収納したらストックアームはむやみに動かさない等、コードの断線・損傷には注意が必要です。
因みに写真に映っているバッテリーは、LayLax製T型コネクター7.4V1200mAhリポバッテリー17.5×18.5×93.0mmです。
マガジンはPMAG(マグプル社のポリマー製マガジン)タイプで装弾数は120発です。
格子状のデザインが特徴的ですね。
数字が割り振られているので、残弾確認が出来る窓付きタイプマガジンのモデルアップの様ですが窓は無く、ノーマルタイプとの合いの子的マガジンですな。
マガジン上部側面の使用弾薬に5.56×45とあるのは、ご愛嬌。(これじゃーSTANAGマガジンだ~)
正しくは、7.62×35です。
.300ブラックアウト弾」(7.62×35mm)を使ってる銃のモデルアップですから。
ダブルイーグル製ハニーバジャーには光センサー装備のFalcon DFCS2.0(Digital Firing Control System)というファイヤーコントロールユニットが搭載されていて、トリガーを操作する事で簡単に3つのモードを設定する事が出来ます。
MODE1---セレクター・フルオート時の設定をフルオート、1~5点バーストショットに変更出来ます。
MODE2---トリガーレスポンスを三段階から選べます。
MODE3---セミオート時のダブルショットのオン・オフが出来ます。
実際の操作方法は、動画にまとめました。
ダブルイーグル製ハニーバジャーは、樹脂製レシーバー仕様しか無いのですが剛性感はありますし、コンパクトで軽く取り回しが非常に良いです。
実銃よりストックも伸ばされてるので、構え易く扱い易いと思います。
スリムなスタイルですがM-LOKで拡張性もありますし、電子制御トリガーでキレ感も良いです。
ダブルショットや選べるバーストショット等楽しい機能を搭載していてコストパフォーマンスが高い銃ですね。
ただ小さいバッテリーしか使えないのが残念な所です。
フルオートの連射サイクルは、11.1Vのリポバッテリーで秒間16発程度で、マルイの次世代電動ガンMP5と同程度。
8.4Vニッケル水素バッテリーと7.4Vリポバッテリーが同じ位の秒間12発程度でマルイ製スタンダード電動ガンより少し遅い感じ。
フルオートを多用するなら11.1Vリポバッテリーを使えば連射が気持ちいいですが銃を労わるならあまり使いたくないし、悩ましい所です。
連射サイクルが秒間16発程度なら11.1Vリポバッテリーでも大丈夫そうですけれど。
実射性能は一言で言えば良いですね。フラットで落ち着いた飛びを見せてくれます。
12mでの集弾性も素晴らしく安定感もありますね。
コンパクトで銃身も短いので、やや弾道も暴れるかなと思っていましたが以外に優等生でした。
楽しくて優等生だなんて、格好良すぎるで。
軽くて面白いので、実戦派なら存分に楽しめる銃ではないでしょうか。
リッチテキストエディタ, description, ヘルプは ALT 0 を押してください
Q ハニーバジャー | 22.6℃ 51% |
0.25gBB弾 平均初速 | 78.4m/s |
1発目 | 78.4m/s |
2発目 | 78.2m/s |
3発目 | 77.7m/s |
4発目 | 79.3m/s |
5発目 | 78.4m/s |
距離 12m 2cm刻みの円 0.25gBB弾
セミオート10発
|
楽天市場でHoney Badger をみてみる Yahoo!ショッピングでHoney Badger をみてみる