1945年の終戦時には大量のワルサーP38が接収され、東西各国の軍隊や法執行機関で使用されました。
ワルサーP38は、当時では珍しいダブルアクション機能を持ったオートマチックピストルで、コッキング状態でセイフティにすると、安全にデコッキングする事が出来ます。
この機能のお陰で、チャンバーに弾を装てんした状態で安全に携帯する事が出来、とっさの射撃時にはセイフティを解除してトリガーを引くだけで撃つ事が出来ます。
ただ、優秀なワルサーP38にも欠点があり、取付方法の甘いスライド上部のパーツが、稀にブローバックの衝撃で外れる事があり後方に、つまり射手の顔めがけて飛んできます。
この欠点というか欠陥は戦後に生産される物から、やっと改良されました。

10才以上用コッキングエアガン
固定ホップアップシステム
全長 231mm
重量 337g (実測)
装弾数 15発
価格 2,500円 (税別)


今回は、マルイ製ワルサーP38 10才以上用コッキングエアガンです。
マルイさんのコッキングエアガン・シリーズの中でも初期に開発されたモデルで18歳以上用のモデルはありません。
コッキングエアガンとしては、結構希少種のロングセラーモデルです。
この個体は新品では無く、何時購入したかも忘れてしまった物なので外観の傷や性能の劣化が有るという事でお願いします。
それを踏まえて見ていくと、全体的にはプラスチック然とした外観ではありまが低価格帯のエアガンなので、これ位の物でしょうか。
銃の右側は、マルイさんが加入しているASGK(日本遊戯銃協同組合)以外の刻印はありません。
まあ、実銃でも殆ど無くてシンプルですが。
グリップは実銃でのベークライト製(プラスチックの中で最も歴史の古いフェノール樹脂)を模した物で、ムラっぽい模様も雰囲気がでていますがちょっと色が明るすぎる感じがします。
これだと木製グリップを模してるのかと勘違いされそうです。
えっ、そこまで拘ってないだろって?失礼しました。

銃左側の刻印は実銃の雰囲気通りで、よく再現されています。
実銃のP38は、第二次世界大戦に入るとワルサー社だけでは生産が追いつかなくなり複数の会社での生産が始まりましたが、機密保持のため製造会社名はアルファベットのコードで刻印される事になり、P38の横の文字「ac」は、戦時下でのワルサー社のコードで「42」は製造年になります。
なので、この刻印はワルサー社製1942年ミリタリーモデルのP38という事になります。

スライドは規定の空気圧縮用ポンプを内蔵させるためにか、実銃に比べて背が高く、スライド後端も後ろに延長されているのでなんだかスライド後部が大きく、フォルムが変わっちゃってますね。
まあ、これはマルイさんらしく実射機能優先と言った所でしょうか。
実銃でのセイフティ・レバーはモールドで動きませんが、横に大きく張り出させて指に引っ掛けてコッキングし易い形状になっています。
実銃でのスライドストップ・リリスレバーがエアガンのセイフティになっていてレバーを上に押し上げる事でセイフティになります。
ただ、これが固くて操作性は悪いですね。
セイフティにすると、トリガーがロックされて撃つ事が出来なくなります。

マズル部分は痛みが酷くて見ずらいですが、数ミリほどライフリングが再現されています。
その奥にはアルミ製のインナーバレルが見えます。
マズル部分はアウターバレルとは別パーツなのですが、経年劣化なのか引っ張ると、スポッと抜けちゃいました。再接着が必要です。
はめ込むだけだと、何かに引っ掛けて紛失してしまいそうなので。

スライドはモナカ構造ですが、リアサイトと一体のスライド上部カバーが別パーツなので、貼り合わせラインが隠れているので、見た目が良いですね。
フロントサイトとリアサイトにホワイトドット等は入っていません。
まあ実銃からして、昔の軍用銃なので簡素な作りです。
ハンマーもモールドで動きません。

写真は、スライドをいっぱいに引いた状態です。
まあスライドが開いても、見えるのは黒いポンプだけですけど。

フレームもモナカ構造で、貼り合わせてるラインが見えるのは承知なんですがライン上に2か所ほど、プラモデルの枠からパーツをもぎ取ったら出来る様な跡が付いてるのは、ちょっと萎えてしまいます。
手間暇かけられない低価格帯エアガンだと分かっていますが、これはなんとか無くしてもらいたいです。

設計の古さを一番感じるのが、マガジンの構造だと思います。
いわゆる割り箸マガジンと呼ばれる物で、装弾数は15発です。
使い方ですが、まずマガジン・キャッチ的な物は無いので、そのままマガジンを下に引き抜きます。
次にマガジンフォロアー(BB弾をバネの力で押し上げるパーツ)を下まで下げます。
すると一番下でロックされるので、BB弾を上から装てんします。
BB弾が飛び出さない様に支えるマガジンリップは、ありませんのでBB弾の投入口は、常に上を向いていないといけません。
横に傾けると、こぼれてしまいます。
投入口を上に向けたまま、マガジンをグリップに挿入します。
最後までマガジンが入るとロックが解除されて、マガジンフォロアーがBB弾を押し上げる状態になり、完了です。
なのでBB弾が残っている状態でマガジンを抜くと、BB弾は全弾押し出されてこぼれ落ちます。
当然ながらBB弾が装てんされたスペアマガジンを携帯する事なんて出来ません。
10才以上用コッキングエアガンなので、さすがにコッキングは軽いですし引き易いモデルだと思います。お子さんでも大丈夫でしょう。
トリガープルは、トリリガーの引き始めにギシギシときしみ音がしますがトリガープル自体は癖も無く、スッと引けます。
射撃音は少しバィーンとバネ鳴りが聞こえるのですが、これって経年劣化かな�?
今時のマガジンだったら、より楽しく遊べると思ったら残念です。
弾の飛びは、今の状態では限界までフラットに飛んでくれてる印象です。
前からこうだったか、覚えてないんですけど。
集弾性も流石マルイさん!と言った所。
良く纏まっていて、距離8mでA4コピー用紙にビシバシ当たります。
まあ、気持ち良く貫通は難しいですけど。
性能的には、クラウン製高級機スライドストップシリーズのUSPやガバメントに
少し劣る程度で、優秀です。
とっても良いモデルだと思うのですが、バージョンアップされないと言う事は
それほど需要も無いという事なんでしょうかね?
でもコスプレするなら、これしかないですよ!
マルイワルサーP38 | 20.8℃ 42% |
0.12gBB弾 平均初速 | 46.8m/s |
1発目 | 46.4m/s |
2発目 | 46.9m/s |
3発目 | 46.7m/s |
4発目 | 47.4m/s |
5発目 | 46.6m/s |

距離 8m 2cm刻みの円 0.12gBB弾 10発
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