
オーストリアのポリマーフレーム・オートマチックピストル、グロック17が世界中で好調に売れているのを見たドイツのヘッケラー&コック社は、H&K VP70が全く売れずに中止していたポリマーフレーム・オートの開発を再開し、1993年にUSP(Universal Self-loading Pistol)を発表しました。
それまで、革新的なデザインや技術をふんだんに取り入れて失敗してきた経緯を踏まえ、USPは現在確立されている機構を使って開発されました。
なのでグロックや後々出てくる他のポリマーフレーム・オートとは違い、ハンマー剝き出しのオーソドックスなスタイルをしています。
唯一目新しい物では、フレーム先端にフラッシュライト等を取り付けられるアンダーマウントレイルが、世界で初めて標準装備されました。
(初期のグロック17は、アンダーマウントレイルを装備していません。)
ただ、この規格は世界的に標準規格にならなかったので、今となっては現代の20mm規格アンダーマウントレイル用のフラッシュライト等のアタッチメントをそのままでは装着出来ず、アダプターを介さないといけないのでちょっと面倒です。
USPには多くのバリエーションがありますが、USPタクティカルはサプレッサーを装着可能にしたモデルで、バレル先端にサプレッサー取付用のねじ切りが施されサプレッサーを装着しても照準出来る様に、サイトは背を高くしています。
リアサイトは上下左右の調整が出来るフルアジャスタブル・タイプです。
そのUSPタクティカルを競技用として、射撃時の跳ね上がりを抑えるスタビライザーを、フレーム先端に装備したのがUSP MATCHです。
これはウエイトなので、コンペンセイター的な機能はありません。
バレルはスタビライザー先端まで延長されていますが、サプレッサーは装着出来ません。
使用弾薬は、9×19mmパラベラム弾、.40S&W弾、.45ACP弾のバリエーションがあります。

10才以上用コッキングエアガン
固定ホップアップシステム
全長 247mm
重量 365g
装弾数 24発
価格 3,278円 (税込)



クラウンモデルと言えば、リボルバーのイメージが強いですが、勿論オートマチックタイプやSMG、ライフルとか、電動ガンも販売しています。
そんな中で今回は、10才以上用オートマチックタイプのコッキングエア・ハンドガンです。
スライドストップ・シリーズのUSPマッチなのですが、何が凄いかって?!その名の通り最終弾を撃った後スライドを引くと、実銃の通りにホールドオープンで止まり弾が無くなった事を射手に教えてくれます。
これは天下のマルイ製コッキングエアガンでも、無い機能です。
正に最高級10才以上用コッキングエア・ハンドガンと言えましょう。

スライドはヘアライン(筋状の切削痕)仕上げが再現されているマット仕上げで雰囲気が出てます。
フレームやスタビライザーも、スライドと同じ質感のマットな色調で統一感があります。
外観を見渡すと社名とUSPの刻印は省略されていて、実銃のスタビライザーに書かれている派手な文字もありません。
スライド左側面とチャンバー側面には、実銃での9mmパラベラム弾仕様を示す「9mm×19」の代わりに「6mm×25」の刻印が・・・
これは6mmBB弾を、チャンバーを含め25発装填出来ると言う事かな?
敢えて9mm×19にしてしまわない所が粋ですな。

スタビライザーは実銃の雰囲気を、上手く再現していると思います。
アウターバレルは、ちょうどスライド先端部分から元のバレルに貼り付けて延長してますね。
バレル先端にはライフリングが施されていて、とてもリアルなのです。
しかしながら、これは普通のライフリングで、実銃のUSPはポリゴナル・ライフリングなので断面は、角の取れた多角形の形をしているのですが。
まあ、コスト的な事もありましょうから無理は言いたくないですけど。
それと残念ながらアルミ製インナーバレルは、延長されずにアウターバレルの奥深くに見えます。

実銃USPマッチのリアサイトはフルアジャスタブルタイプが装備されてますがクラウン製はスタンダードなUSPタイプで、ホワイトドットも入っていません。
まあ、10才以上用コッキング・ハンドガンでホワイトドットが施されている物を見た事が無いので、さぞかしコストや手間暇の掛かる事なんでしょうね。

スライド上面と面一なチャンバーが、沈み込みながらスライドが後退するという実銃のティルトバレル・ショートリコイルを、ギミックながら再現してるのは凄いです。
しかもスライドが後退したら、バレルはちゃんと僅かに上向きになってます。
ここに拘るか~?!て感じですね。

コッキングエアガンなので、実銃の様なデコッキング機能はありませんがハンマーはリアルに作動します。
勿論ダブルアクションで撃つ事は出来ませんが、コッキングしていない時にトリガーを引くとハンマーは作動するので、ダブルアクションの様にハンマーをパチンパチン動かして遊ぶ事は出来ます。

セイフティは、コッキング状態の時に水平位置にあるコントロールレバーを押し上げれば、トリガーがロックされセイフティ状態になります。
ハンマーが落ちている状態では、コントロールレバーはセイフティ位置に出来ないので、コッキングしていない時にセイフティにしたい場合は指でハンマーを起こせばセイフティに入れる事は出来ます。

マガジン・リリースレバーはアンビ(両側)タイプなので、左右どちら側からでもレバーを押し下げれば、マガジンが外せます。
装弾数24発のマガジンは、ほぼマルイ製と同じ形状でマガジン・リリースレバーを押し下げると、自重で落下してきます。

マガジン内のBB弾が無くなると、BB弾を押し上げるマガジンフォロアーと連動したレバーが、スライドストップ・リリースレバーを押し上げる状態になりその時スライドを引くと、スライドストップ・ノッチにスライドストップ・リリースレバーが引っ掛かり、スライドがホールドオープンします。
10才以上用なので基本スライドは軽く引けるのですが、引き終わりがやや分かり難いと言うか、最後カチッと手応えがあればなと思いました。
トリガープルは、コッキングエアガンなので、それなりに重いのですが粘りは無くて、引き易い方だと思います。
弾道は10m位までは真っ直ぐで、そこからホップアップ回転のピークになるのか一瞬山なりに少し浮かんで、そのまま緩やかに落ちていくかホップ回転が乱れてやや左斜め上の方に逸れていくかの、2通りになりました。
説明書に書かれている、「有効射程10m以内」は正直というか正解というか狙って当てられるのは、その位ですね。
集弾性テストでは距離がちょうど10mで、弾が浮き上がる辺りだったので的のかなり下の方を狙って撃つ必要がありました。
でも10才以上用の0.12gという軽くて乱れやすい弾を、良く躾けられていると思います。
一つ気になるのが、ホールドオープンになってそのままマガジン交換をしようとすると、マガジン・リリースレバーが固くて下げ難くなってしまう事。
レバー操作自体は、できるのですがね。
説明書の手順だと、ホールドオープンから一旦スライドを戻した後マガジン交換をして、改めてスライドを引け的に書かれています。
これは悩みますね。
ホールドオープンのまま、無理やりマガジン・チェンジをしまくって壊れたら嫌ですし、大丈夫なら好きにやりたいし。
まあ、好きにするかぁ。
ん~お値段も10才以上用コッキング・オートマチックハンドガンクラスでは最上級ですが、その価値は有りますね。
所有欲を満たしてくれる逸品です。
クラウン USPマッチ | 18.9℃ 35% |
0.12gBB弾 平均初速 | 41.4m/s |
1発目 | 41.6m/s |
2発目 | 40.9m/s |
3発目 | 41.7m/s |
4発目 | 41.4m/s |
5発目 | 41.6m/s |
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