ドイツのワルサーP38は、1938年にドイツ国防軍に制式採用されて以来第二次世界大戦終結まで120万丁が生産され、1963年には「P1」に改名され後に改良が加えられ「P4」となってからも生産され続けました。
ワルサー社はP38の後継機として、1976年に「P5」 1988年には「P88」を開発しましたが、どちらもライバルの他社製品に比べて高価だったのが災いしてか、商業的には失敗に終わってしまいました。
1993年にエアガン界では有名なウマレックス社に買収され傘下にはいると、1996年にワルサー社初のポリマーフレームオートである「P99」を開発しました。
このP99は、提携していたアメリカのS&W社の影響を色濃く映し出しているモデルになりました。
なので数年後にS&W社によるライセンス生産モデルとして発売された「SW99」は、P99と瓜二つです。
ポリマーフレームオートとして大ヒットとなったグロックに似せ過ぎてしまい、パクり物と散々叩きのめされたS&W製シグマシリーズの無念を晴らしたいS&W社と、鳴かず飛ばずな後継機開発から抜け出したいワルサー社の思いが合わさって出来上がったのがP99と言えます。
ブローバックガスガン
可変ホップアップシステム
全長 180mm
重量 626g
装弾数 24発
価格 19,580円 (税込)
この銃の特徴 |
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〇ワルサー社との正式契約でリアルなサイズと刻印 |
〇実銃の複雑なトリガーアクションまで再現 |
〇老舗ワルサー社の拘りが感じられる一丁 |
スライド後部には実銃と同様に、コッキングインジケーターが装備されているので目視や指で触ってハンマーの状態が確認出来ます。
またスライド上面にはデコッキング・ボタンが装備されているので、コッキングされたハンマーを安全に落とす事が出来ます。
ショートリコイルは実銃のティルトバレル式ショートリコイルを再現しているので、スライドを引くとチャンバー部は沈み込み、バレル前方は少し上に向きます。
マズル内側にはライフリングが再現され、その奥には真鍮製のインナーバレルが見えます。
因みに実銃の口径は9mmで、使用弾は9×19mmパラベラム弾です。
グリップはとても握り易い形状ですが、さらにバックストラップは交換が可能です。
ただ、マルイさんの様に交換用バックストラップは付属してませんし、別売と言っても入手は困難な様ですね。
実銃用が使えるらしいですが・・・。
マルゼン製ワルサーP99には、エアガン独自のマニアルセイフティが装備されていて、スライドロックレバーを右側から押して左にスライドさせるとセイフティ状態になり、トリガーがロックされます。
握り心地の良いグリップと軽快な作動がとても良いですね。
ブローバックは鋭さが無くもっさりしていますが、ドン!と重く撃ち応えが有ります。
ただマガジンが冷えに弱く、連射すると途端に撃ち応えが弱くなってしまいます。
ホップアップの調節も、調整するごとにスライドを外さないといけないので面倒です。
初めてのホップ調整も、ネジを回せど回せど弾道が10数メートルから極端に下に落ちる現象から変わらず、焦ってしまいました。
これってホップアップが、強すぎても弱すぎてもなる弾道ですし。
ホップを最強にして撃ってみると、やっと上に曲がって飛んで行く強ホップになってくれたので一安心です。
そこから少しずつホップを弱くして、適正付近に出来ましたが真っ直ぐフラットに・・・とまではいかず、安定性もイマイチです。
距離10mでの集弾性も乱れ気味。
実戦では近接戦闘なら使えるかな?
実射性能なら、同じマルゼン製ワルサーP99固定スライドガスガンの方が良いので、こちらをお勧めします。
それでもマルゼン製ワルサーP99ブローバックガスガンは、ワルサーの伝統と血筋を感じさせてくれる個性的な魅力を持った銃です。
ワルサー好きな貴方なら、絶対に虜になるはず。
距離 10m 半径2cm刻みの円 0.20gBB弾 10発
マルゼンP99 | 27.5℃ 50% |
0.20gBB弾 平均初速 | 8m/s |
1発目 | 79.7m/s |
2発目 | 79.6m/s |
3発目 | 80.1m/s |
4発目 | 78.9m/s |
5発目 | 79.1m/s |
1秒間隔で24発連続発射した時の初速変化をグラフにしました。
マルゼン製ワルサーP99とマルイ製ハイキャパD.O.Rの比較です。
ハイキャパのマガジンは、ガス容量がP99の倍以上あるので冷えにも強いようですね。
安定感に差が出ています。